戦争は国民の命を守らない

戦争を始めるのは簡単だが終わらせるのは極めて難しい、と言ったのは誰だったか知らないが、ウクライナの戦争はまだ終わらない。世の中、圧倒的に、煽ったりけしかけたりする声ばかりである。 殺し殺されて何を求め、何を守るのか。例えば、戦争は国民の命を…

弱者を叩いて効果を実感

先日の新聞で、こんな記事を読んだ。 ちょっと古い話だが、有名なテレビドラマで、主人公と相棒とが、街頭で非正規雇用者のデモに遭遇するのだが、それが実にヒステリックで迷惑な連中で、たまらず相棒が怒鳴りつける、というシーンがあったらしい。 脚本は…

難民ではない避難民

さすが、追及逃れの「言い換え」で鳴らした日本の政府官僚は、今回も頭がいい。「難民」ではなく、特定活動の「避難民」だと。 避難民には至れり尽くせりに至れりを重ね、難民にはこれまで通り拒絶を通す魂胆。いや、分かっていたが。

手のひらを返す

ウクライナ難民に対しては、至れり尽くせりである。大臣が連れて帰る、住居を用意する、生活を支援する、働き口の世話をする。・・・戦火に追われる人々を温かく受け入れることは、もちろんとてもいいことである。 いま、世界には、数千万人の難民がいる。最…

意識したことはございません

週刊誌の広告によれば、「愛子天皇待望」の声が高くなっているとのことである。もちろん政府が、数年のうちに悠仁氏から乗り換えることはありえないだろうが、それにしても、共に、気の毒にも因果な家に生まれてしまったものである。 先日、愛子氏の記者会見…

戦争はどうして起こるか

戦争が起こっている。 イラクに軍事侵攻して戦争を起こしたのはアメリカだったが、今回、ウクライナに侵攻して戦争を起こしたのはロシアである。ただ、前回はフセインが悪役とされたが、今回はプーチン率いるロシアがまごうかたなき悪役とされ、ゼレンスキー…

2 反対デモに参加すると語る宇宙人に出会った話

(承前横道)日当をもらって五輪反対デモに参加したとかするとか言ったらしい男の話は、NHKが謝る事態になったようだ。発言の裏をとるどころか発言を勝手に歪めて文字放映してしまう「ドキュメンタリ」には呆れる他ないが、最近のNHKは、あるいはテレビは…

反対者への誹謗など 1

脚本家の太田愛氏が、元日の「相棒」ドラマについて書いていることに、全面的に納得し同意する。 非正規ゆえに不合理な待遇格差を押し付けられ、大変な勇気と労力と時間を割いて、ようやく声を上げて訴訟を起こした駅売店の店員女性たちがいる。「そのような…

2021年のリベラル

残り1日。国内的には、酷い状況にもかかわらず、コロナ禍の下で、人々が結局現状維持を選んだ年だったということにでもなろうか。 衆院選に敗北した立憲民主党新執行部は、共産党との連携を考え直したり、政権批判を控えて「政策提言」をアピールしたりする…

国民総意の非人差別

秋篠宮家長女へのバッシングの中に、「神の子孫だとかいって税金使いやがって」というような物言いが、やはりあったようだ。もはや個人ではなく、天皇制への攻撃である。生まれながらに基本的人権を認められない「非人」への国民総意の差別。

「ふさわしい」結婚

秋篠宮家の長女は何とか結婚できたが、週刊誌に火をつけられ執拗に続いてきた攻撃はやむのかどうか。しかし、どんなヘイトスピーチの類にも、その背後には、彼らを正当化する<権威>がいる。 例えば保阪正康氏はいう。「皇室の人たち」には、「世間一般と同…

気候変動と資本主義 

太田サトルという人が、先日、雑誌にこんなことを書いていました。「売れてるよね。でもアレって打ち込みでしょ、ロックじゃないじゃん。~」・・・シニア世代のロックファンの皆さま、ついつい若者にこんなこと、してませんでしょうか。これらは、もしかし…

日本人は、好きだから

「日本人は戦争が好きだから、事前にゴタゴタ理屈をならべるが、火蓋を切ってしまえば、アトについてくる」、と、旧陸軍軍務局長小磯少将は豪語したとのこと(半藤一利『B面昭和史』)。実際にまた、雪崩を打ってそうなっっていったのでした。 同様に、全軍…

どちらも同じ

(いつものくせで、面倒になってきましたが、まあ、もう少しだけ) ここで左に曲がっても次で曲がっても会社に戻るのは<同じ>なら、ロバでも自由気軽に選べますが、突然右に曲がって職場に戻らないというのは、既定の状況全体を覆して自分を解放する(自分…

「アスリートに罪は」

五輪強行への批判的な言説は、開会以後も収まりませんが、多くの場合、「アスリートに罪はないが」という常套句が入っています。炎上対策に入れただけという人もいるかもしれませんが、たいていの場合は、本気でそう思って書いているようです。森、橋本、山…

逆に曲がる自由

では、逆に、右に曲がるのはどうでしょうか。 無意識に右折: といっても、「気が付くと右に曲がっていた。何やってんの、私。笑って引き返した。」・・・というようなケースは何でもありませんから除外です。 無意識に右折: 「気が付けば右に曲がっていた…

曲がる自由2

では、無意識にではなく意識して左折した、という場合はどうでしょうか。曲がり角の少し手前で、前からスマホ片手の高校生の自転車が来ることに気が付いたので、避けるために曲がった、とか。最近ここで曲がってなかったが、もしかして新しい店でもできてる…

承前、曲がる自由

それはそれとしてなどといっていられない世の中ですがそれはそれとして、ある日、行きつけの店でランチをとった後、本屋で雑誌を立ち読みしてから、社に戻ろうとしていたとします。そのコースだと普通は花屋の角で左折するのですが、どういうわけかその日は…

ぼったくり男爵とアスリートファースト

「六斉の前に六斉なく六斉の後に六斉なし」といわれた、六斉こと越前屋常衛門は、妻子に去られ菜種油問屋として知られた大店の身代を潰してもなお道楽をやめず、遂には虎の蚤を求めて千島海峡を渡り西伯利亜の密林に消えたと伝えられています。彼の道楽は、…

 何を「する」のか

寝る前に、適当なことを書いているだけなので、さしたる脈絡もなく恐縮ですが、何か元の道に戻っていない感じが残っているので、もう少しだけ。 人が何かを「した」ことで、その責任を問われるかどうかを分けるのは、そのことを、故意にというか、「しようと…

勝手に自由

いや、ただ不自由の無意識を突きつけたというのではなく、そこに文法を見つけたところが確かに面白かったのですが、いずれにしても、今さら口出しする見識も意図もありませんし、ほとんど消えたように見える横道なので、元に戻ります。 といいながら「元」と…

自由だぁ~!

さて、そんなわけで、といってもどんなわけか前回のことは忘れましたが、普通に暮らしている限りでは、自由と不自由は地続きというか裏表というか、ごちゃごちゃになっていて、だから実に厄介でもあれば、だから世の中何とか動いてもいるのだろうという程度…

ろくでもない連中を当選させて、ろくでもない目にあってしまう

最近のことについては、もう書く気もしないのですが、それにしてもますますひどいこと、あきれるばかりです。とはいえ、ああいう連中の権力は、当選に由来するのですから、つまりわれわれが、ああいう連中にああいうあきれるようなことをさせたり、言わせた…

自由ではなく自由に決める

義理人情のしがらみ話など掃いて捨てるほどありますので、何でもいいのですが、忘れていた岩明均『ヒストリエ』の10,11巻を買って今手元にありますので、さしあたりそれにしましょう。 主人公の書記官エウメネスは、名門将軍の姪エウリュディケと思いあう仲…

させられなくてする

やたら学者とか文献とかが出てくるような本はたていてい面白くありませんが、趣味の世界というのはそういうものですから仕方ありません。例えば、普通にしていれば時間とは何か分かっているのに考えようとすると分からなくなる、というようなことを、アウグ…

させられてする

しかし、これは別に難しい話ではありません。 アメリカ人は、能動/受動だけの英語を使っているので、毎日何百何千と開かれてる法廷でも、「やった/やられた」という単純ガサツな議論をしているかというと、もちろんそうではないでしょう。カツアゲは、「脅…

みんなカツアゲ

(承前)面白い話題、と書きましたが、それは、学術的な装いの本の真ん中に、「カツアゲの問題」という下世話?な見出しが面白かったという意味であって、予想外の問題が予想外の仕方で取り上げられている、というようなことではありません。 例えばスリ(掏…

カツアゲ問題

國分功一郎『中動態の世界』という本が面白いという人がいたので読んでみました。 「意志と責任の考古学」という副題が付いていますが、考古学といってもいわゆる知の考古学というか、人文学系の諸分野を縦断して、颯爽と進められる論には間然する所がありま…

なめられている8割

「復興ゴリン」が汚染水放流、「おもてなし」が観客締め出し、「コロナに勝った証」が国民大感染下での強行。もはや何をかいわんやです。 しかし、一番欲しいのが支持率だとすれば、8割以上が反対する強行姿勢をなぜ維持し続けるのでしょうか。もちろん国民…

単純な話

少し補足しておいた方がよいかもしれません。「単純」なものは「単純」だからダメだ、というのは「単純」かどうか。 有縁社会は、メタレベルの無縁天皇に支えられつつ、無縁の人々を排除差別し、しかも両無縁がつながっているという、ダイナミックな複雑構造…