空気について 5

 今日の「デイリー」新聞に、こんな記事があった。
 都内の企業に12年間勤務して手取りの月給が14万円だという会社員が「日本終わってますよね?」とネット掲示板に投稿」し、共感する声が続いた。ところが、それを受けて、「ホリエモン」がツイッターで、「日本がおわってんじゃなくて『お前』がおわってんだよwww」と、「突き放すコメントをつぶやいた」ところ、「約6000件以上の「いいね」があり、リプライ欄には「自業自得」「なんでも人のせい、卑怯者」「自分の無能さを全て他人のせいにして」「なんも努力もしないで昇進できると思ってたのか」などと、~(当の)人物を非難したり、「有能な者にお金を出す。企業として当然のこと」「その人雇用してる会社がえらい」と企業側を擁護するコメントが多くを占めた」、という。


 大して豊かでもないのに、「ナンバーワン」などといわれ、「日本ひとつでアメリカが4つ買える」などと舞い上がっていたおバカな時代もどうかしていたが、一面では、「今のようにヘイトスピーチ生活保護バッシングなど、弱者に向けて鬱憤を晴らすようなエネルギーは皆無でした」、と山口二郎氏はいう(面倒なので失礼ながら以下全て出典は省略)
 しかし、そんな時代は遠く去り、いま、少なからぬ人々が、中途半端な<成功者>ホリエモンに「いいね」をつけて、「14万円」は「努力しない」「無能な」「卑怯者」の「自業自得」だとバッシングする。おそらく、自分は「努力する」「有能な者」であると思っている人々なのだろう。全部がそうかどうかは別として。
 とはいえ、もちろん、「努力する有能者」だと自認したところで、多くは<成功者>にはほど遠く、「世の中(日本)、うまくいっている」とは言い切れない、信じきれない。そうであればこそ、「いや、世の中(日本)はうまくいっている」、と言ってほしい。「日本が終わってんじゃなくて、日本が終わっているなんでことをいう奴らが終わってんだよ」、と言ってほしい。自分もバッシングに乗って、安心したい。(続く)