不倫とギロチン

 このところ世を騒がせいる東出昌大。下世話ニュースでは言及されないが、瀬々敬久菊とギロチン』で、中濱鐡を演じていた。
 3時間を超える大作だが、いろんな視点や問題点がぶち込まれていて、字幕付きでもう一度セリフを確認した。相澤虎之助による音楽も含め、2度見に耐える力作である。などと評価めいたことをいうつもりはない。今の時代にこんな映画を作ったこと自体に敬服。
 ただ、史実を踏まえた、ドキュメンタリー・フィクション(などという言葉はないだろうが)なので、多少の違和感はやむをえない。もちろん、こちらが勝手に持っているイメージの方に責任があるのだが、東出中濱は、獄中でもどこでもいつでも、髭剃り立て美肌の色男。中濱というより東出であった。
 そういえば、山田勇男シュトルム・ウント・ドランクッ』も、イ・ジュニク『金子文子と朴烈(パクヨル)』も、まだ観ていない。