ますます貧しく、ますます豊かに

 昨日の夕刊、一面トップに大きな活字が踊っていました。

 GDP年27.8%減  戦後最悪

 記事には、「マイナス幅は比較可能な1980年以降で最大で、事実上、戦後最悪の落ち込みだ」。「GDPの減少率は、~これまで最大だったリーマン・ショック直後の~年率17.8%減も、大きく上回った」、とありました。

 今や株価は実体経済を反映していない、ということはそれなりに承知しています。しかし高校の教科書には、世界恐慌時に株価が大暴落して富豪が物乞いをしている写真が出ていましたし、私は全く縁がありませんが、リーマン・ショック時にも株価の暴落で、株を持っている人が「ショック」を受けたのではなかったでしょうか。

 ところが、今回。少なくとも現在までは、株価はほとんど下がらず、「ショック」は全面的に、株など持っていない貧民の肩にかかってきています。経済音痴の私には全く理解ができませんが、「持てる人たち」の方がますます賢くなって、何が起こっても格差が拡大の方向に進むようになっているのでしょう。

 以前、格差をチャラにする戦争が起こってほしいと発言した人がいましたが、今では、戦争でもコロナでも何でも、チャラになるどころか、貧しい者はますます貧しく、豊かな者はますます豊かになってゆくようです。