敗走記(おしまい)

 嫌なことは見ないと書いたまま、ほんとにニュースを見ていなかったところ、半分予想はしていたが、それでも予想を越えたことが起こっていたらしく、昨日の新聞やネットニュースを引っ張り出した。

 16日、日本学術会議梶田隆章会長が首相と会談したが、会長は、要望書を提出しただけで「踏み込んでお願いをしていない」、つまり無言で渡しただけ。当然、首相は、「対応や理由について言及しなかった」、つまり無言で受け取っただけ。
 逆に首相から会長に、「学術会議は国の予算を使う機関として国民に理解をされる存在であるべきだ」、「しっかり貢献できるようやってほしい」と要請。それに対して会長は、「早い段階からしっかり改革していきたい」と伝え、「社会や国に対し、どういう風に貢献していくかを話し」、「担当大臣を中心に」「会長と協議しながら、学術会議のあり方について検討していくことで合意した」、という。
 「日刊スポーツ」によれば、安倍政権で文部科学事務次官を務めた前川喜平氏が、自身のツイッターを更新して、「梶田学術会議会長は、何をしに官邸まで行ったのか。腰砕けもいいところだ。菅首相の思う壺にはまってしまった。情けない」とつぶやいたとのこと。
 安倍政権の事務次官に「情けない」といわれる学術会議会長。
 ほんとに「敗走記」になってしまった。