侵略、占領、併合

 侵略戦争は悪い(間違った)戦争で、祖国防衛戦争は良い(正しい)戦争であるというのは、まあ、その通りである。実際には、どんな戦争でも、双方が共に、相手がこちらの国家生命を脅かす侵略者で、こちらは自存自衛の防衛聖戦だと主張するので分かりにくいのだが。

  そこで分かりやすく、例えば国境を越えて軍事侵攻した方が侵略国だと決める。そうなると明らかに、ウクライナに軍事侵攻したロシアは侵略国であり、イラクに軍事侵攻したアメリカは侵略国である。もちろん他にも、自国外に軍隊を出した国はたくさんある。
 しかし、ロシアがもっと悪いとされるのは、軍事侵攻しただけでなく、占領地を自国に併合してしまったことである。イスラエルガザ地区の占領を何十年も続けて入植者を送り込んでいるように。

 そういえば、かつて琉球という美しい国があったのだが、先ず島津が軍事侵攻して属国にし、大和が併合して県にしてしまい、さらにアメリカが占領し、今は、形式的に日本が併合して、事実上はアメリカが占領し続けている。