サミットとコンビニ(1)

 「北の大地」で会談だそうです。われわれが世界を動かしているのだ、という気分の連中が集まるわけですが、しかし、世の中には、今の世界はうまく動いていない、という気分が充ち満ちていますので、妨害されると大変と、付近一帯は、準備段階からものすごい警備だということです。
 そんな中、反サミットを掲げるサウンド・デモがあり、逮捕者が出たということで、それに対して、大変な不当逮捕だったという声があがっています。
 何しろ前後左右を包み込んだ機動隊の壁の中での出来事ですし、真相が報道されることもありませんが、何かがあったのでしょう。ネットを検索すれば、警察側の発表も、「不当逮捕」だという主張も知ることができるでしょう。事実関係については何もいうことはありませんが、たまたまおととい、コンビニについて書いたことを思い出しましたので、ひとことだけ。
 さて。こういうことでした。便利になるということは、<食べたくても夜中には食べられなかったアイスクリームが、食べられるようになった>、ということではなくて、<夜中に食べたいなどと思ったこともなかったアイスクリームを、食べたいと思うようになった>、ということだ、と。
 世の中、コマーシャルだらけですが、あれも、単なる商品紹介ではありません。おかげで、壊れたわけではないのに、次々と新しい携帯が欲しくなったりするわけです。
 CMを流す企業の至上命題は、商品を売ることです。本来、売ることは買ってもらうことであり、待ち受けというか受動性がついてまわります。けれども、有効需要の創成という言葉からはじまった現代という時代にあっては、注文を待ち客を待ち受ける企業は脱落します。CMは、ホラお隣も持っていますよ、ホラお隣は持っていませんよ、と挑発し、欲望を創り出すのです。
 デモの逮捕の話ではなかったか、ですって? いや、そうなのですが。(続)