2021-01-01から1年間の記事一覧

2021年のリベラル

残り1日。国内的には、酷い状況にもかかわらず、コロナ禍の下で、人々が結局現状維持を選んだ年だったということにでもなろうか。 衆院選に敗北した立憲民主党新執行部は、共産党との連携を考え直したり、政権批判を控えて「政策提言」をアピールしたりする…

国民総意の非人差別

秋篠宮家長女へのバッシングの中に、「神の子孫だとかいって税金使いやがって」というような物言いが、やはりあったようだ。もはや個人ではなく、天皇制への攻撃である。生まれながらに基本的人権を認められない「非人」への国民総意の差別。

「ふさわしい」結婚

秋篠宮家の長女は何とか結婚できたが、週刊誌に火をつけられ執拗に続いてきた攻撃はやむのかどうか。しかし、どんなヘイトスピーチの類にも、その背後には、彼らを正当化する<権威>がいる。 例えば保阪正康氏はいう。「皇室の人たち」には、「世間一般と同…

気候変動と資本主義 

太田サトルという人が、先日、雑誌にこんなことを書いていました。「売れてるよね。でもアレって打ち込みでしょ、ロックじゃないじゃん。~」・・・シニア世代のロックファンの皆さま、ついつい若者にこんなこと、してませんでしょうか。これらは、もしかし…

日本人は、好きだから

「日本人は戦争が好きだから、事前にゴタゴタ理屈をならべるが、火蓋を切ってしまえば、アトについてくる」、と、旧陸軍軍務局長小磯少将は豪語したとのこと(半藤一利『B面昭和史』)。実際にまた、雪崩を打ってそうなっっていったのでした。 同様に、全軍…

どちらも同じ

(いつものくせで、面倒になってきましたが、まあ、もう少しだけ) ここで左に曲がっても次で曲がっても会社に戻るのは<同じ>なら、ロバでも自由気軽に選べますが、突然右に曲がって職場に戻らないというのは、既定の状況全体を覆して自分を解放する(自分…

「アスリートに罪は」

五輪強行への批判的な言説は、開会以後も収まりませんが、多くの場合、「アスリートに罪はないが」という常套句が入っています。炎上対策に入れただけという人もいるかもしれませんが、たいていの場合は、本気でそう思って書いているようです。森、橋本、山…

逆に曲がる自由

では、逆に、右に曲がるのはどうでしょうか。 無意識に右折: といっても、「気が付くと右に曲がっていた。何やってんの、私。笑って引き返した。」・・・というようなケースは何でもありませんから除外です。 無意識に右折: 「気が付けば右に曲がっていた…

曲がる自由2

では、無意識にではなく意識して左折した、という場合はどうでしょうか。曲がり角の少し手前で、前からスマホ片手の高校生の自転車が来ることに気が付いたので、避けるために曲がった、とか。最近ここで曲がってなかったが、もしかして新しい店でもできてる…

承前、曲がる自由

それはそれとしてなどといっていられない世の中ですがそれはそれとして、ある日、行きつけの店でランチをとった後、本屋で雑誌を立ち読みしてから、社に戻ろうとしていたとします。そのコースだと普通は花屋の角で左折するのですが、どういうわけかその日は…

ぼったくり男爵とアスリートファースト

「六斉の前に六斉なく六斉の後に六斉なし」といわれた、六斉こと越前屋常衛門は、妻子に去られ菜種油問屋として知られた大店の身代を潰してもなお道楽をやめず、遂には虎の蚤を求めて千島海峡を渡り西伯利亜の密林に消えたと伝えられています。彼の道楽は、…

 何を「する」のか

寝る前に、適当なことを書いているだけなので、さしたる脈絡もなく恐縮ですが、何か元の道に戻っていない感じが残っているので、もう少しだけ。 人が何かを「した」ことで、その責任を問われるかどうかを分けるのは、そのことを、故意にというか、「しようと…

勝手に自由

いや、ただ不自由の無意識を突きつけたというのではなく、そこに文法を見つけたところが確かに面白かったのですが、いずれにしても、今さら口出しする見識も意図もありませんし、ほとんど消えたように見える横道なので、元に戻ります。 といいながら「元」と…

自由だぁ~!

さて、そんなわけで、といってもどんなわけか前回のことは忘れましたが、普通に暮らしている限りでは、自由と不自由は地続きというか裏表というか、ごちゃごちゃになっていて、だから実に厄介でもあれば、だから世の中何とか動いてもいるのだろうという程度…

ろくでもない連中を当選させて、ろくでもない目にあってしまう

最近のことについては、もう書く気もしないのですが、それにしてもますますひどいこと、あきれるばかりです。とはいえ、ああいう連中の権力は、当選に由来するのですから、つまりわれわれが、ああいう連中にああいうあきれるようなことをさせたり、言わせた…

自由ではなく自由に決める

義理人情のしがらみ話など掃いて捨てるほどありますので、何でもいいのですが、忘れていた岩明均『ヒストリエ』の10,11巻を買って今手元にありますので、さしあたりそれにしましょう。 主人公の書記官エウメネスは、名門将軍の姪エウリュディケと思いあう仲…

させられなくてする

やたら学者とか文献とかが出てくるような本はたていてい面白くありませんが、趣味の世界というのはそういうものですから仕方ありません。例えば、普通にしていれば時間とは何か分かっているのに考えようとすると分からなくなる、というようなことを、アウグ…

させられてする

しかし、これは別に難しい話ではありません。 アメリカ人は、能動/受動だけの英語を使っているので、毎日何百何千と開かれてる法廷でも、「やった/やられた」という単純ガサツな議論をしているかというと、もちろんそうではないでしょう。カツアゲは、「脅…

みんなカツアゲ

(承前)面白い話題、と書きましたが、それは、学術的な装いの本の真ん中に、「カツアゲの問題」という下世話?な見出しが面白かったという意味であって、予想外の問題が予想外の仕方で取り上げられている、というようなことではありません。 例えばスリ(掏…

カツアゲ問題

國分功一郎『中動態の世界』という本が面白いという人がいたので読んでみました。 「意志と責任の考古学」という副題が付いていますが、考古学といってもいわゆる知の考古学というか、人文学系の諸分野を縦断して、颯爽と進められる論には間然する所がありま…

なめられている8割

「復興ゴリン」が汚染水放流、「おもてなし」が観客締め出し、「コロナに勝った証」が国民大感染下での強行。もはや何をかいわんやです。 しかし、一番欲しいのが支持率だとすれば、8割以上が反対する強行姿勢をなぜ維持し続けるのでしょうか。もちろん国民…

単純な話

少し補足しておいた方がよいかもしれません。「単純」なものは「単純」だからダメだ、というのは「単純」かどうか。 有縁社会は、メタレベルの無縁天皇に支えられつつ、無縁の人々を排除差別し、しかも両無縁がつながっているという、ダイナミックな複雑構造…

天皇とワンマン社長

たまたま内田白井両氏の対談文庫本に触れていらぬ道草をしましたが、本全体は大変面白く読ませて頂いたということを、改めて記しておきます。最後まで読みました。 と書いた上での道草もう一つですが、内田氏は、網野史学を踏まえて、こういいます。「天皇と…

平成と沖縄

(承前)もうひとつ。メタレベルの社会的機能を生身の人間に背負わせるのが問題なのは、せっかく象徴機能だけに切り替えたとしても、象徴的(非歴史的)機能と生身的(歴史的)存在は切り離せないということです。どうがんばっても昭和天皇には、当人として…

犠牲的アクター

眠くなって途中で(続く)にしてしまい、何を書いていた忘れましたが、とにかく、イベントにはメタレベルの存在が、不可欠だというほどではないにしても、あれば便利だ、という単純な話をしていたのでした。内田氏は網野史学などを引いて難しそうに言ってい…

メタな人

ゴリンと天皇

少なくとも今のこころは何としてもやめないらしく、ということで、どこかで聖火ランナーが走っているのでしょう。 走りたい人の気持ちは分からないでもありません。道をチンタラ走るだけで拍手してもらえ、地方テレビニュースに映ったりもするのですから。 …

すばらしきゴリン

これほどの状況下で、まだ五輪中止を決められないでいます。 あの年、開戦すれば敗戦必死と予想しながら、中止という一言を、天皇は自分は言い出す立場にないと逃げ、陸軍と海軍は、相手が言うならともかく自分からは言えないと、互いに中止責任をとらないま…

シーンとストーリー8

「狂者に責められる自罰の祭儀のためには、~家庭の地獄をますます悪化させ」(磯田光一)ることが必要で、そのためには祭壇に捧げる生贄が一人ならず必要だった。もし書くことがこのように書くことであったとすれば、書くことを賞賛することは、このように…

シーンとストーリー7

問題は、自らの地獄場を書こうとするとき、それが思わず罪を犯して落とされた地獄場ではなく、「書くために」自ら招き寄せた地獄場である場合もあるだろうということです。永山則夫のように「書く者」であったなら殺す者にはならなかったということが明確な…