2017-01-01から1年間の記事一覧
どうもまずかったようですね。わくわくするほど楽しいモール萌えという趣味の対談を取り上げたつもりだったのに、なんだか暗い話になりました。 東氏らは、ショッピングモールが「社会的弱者にやさしい空間を実現している」といい、「結局、モールが理想の街…
「東京には人を集めなければいけないし、これからも集まっていくだろうと思います。そういうと、東京だけが栄えてほかの地域は過疎化してもいいのかと反論される。でもそれが現実ならばやむを得ないのではないか。そもそも日本全体で人口が減っているのだか…
ところで、先に触れたように、わくわくするほど「すばらしく、楽しい」ショッピングモール「内部」がワンダーランドとして完結するためにこそ、その「外部」は、客にとっては「存在しない」領域として隠されます。それでも、両氏のように、単なる客ではなく…
伝書鳩の楽しさを語る青年にスマホを示したり、ゴルフ談義で盛り上がる紳士に環境破壊の話を振ったりするのは、野暮でもあり失礼でもあるでしょう。趣味談義は楽しさが一番。大山氏も、「批判的に臨むのではなく、あっけらかんと「なんでモールに行くとワク…
趣味の世界は実に多種多様で、ある人にとってはゴミの山でも別の人にとっては宝のコレクション、といった世界ですから、互いに人の趣味をバカにしてはいけません。というか、大体価値観が違うのですから互いに優劣はなく、ほとんどの趣味人はその点お互いに…
閉じられることで完結する小世界。それが楽しい世界であるなら楽しくないものは排除され、安全で清潔な世界であるなら危険で不潔と思われるものは締め出されねばなりません。例えば「ホームレス」。 そういうことでいえば、ディズニーランドこそ、「巨大」で…
半月ほど空いただけなのに、世の中いろんな事があり、何の話だったか忘れそうですが、大山顕、東浩紀ご両人の「非常に愉快」な対談のお話でした。で、お二人が何の話でそれほど楽しく盛り上がっているかというと、「ショッピングモール萌え」なんですね。「…
票数も議席数も減らしながらも、結局「圧勝」という見出しで終わりました。制度のからくりもありますし、誰が何といったからとか誰がどうしたからとかもいわれていますが、それでもともかく、どうせ変わらないだろう、下手に変えるよりましだろう、という声…
ということで、どうということのないお話でしたが、最初に戻ります。 「ムダにこれ以上お金を使って頂くのは心苦しい限りです。これ以上ご厄介をおかけするのは申し訳けなく・・・」。「そういういい方をされると、私たちが無理強いしているように思われます…
老人と地方の話ではありません。「ムダ」はいくらでもあります。 「東北の復興はムダ」という官僚の言葉は炎上して撤回したそうですが、これほど分かりやすい発言はありません。つぎ込んだ税金が経済成長に寄与して税収増加となって返ってくればプラスだが、…
(内外ともに実に騒然としているところ、間の抜けた件で申し訳けありませんが、乗りかかったもので。) つい先日のTVドラマに、こんなシーンがありました。今はまだベッドに静かに寝て話もできる老婦人ですが、友人が医師に「最後は苦しまないようにお願いし…
いつものように、前を読み返さずに書いているので、少しおかしくなったりしていますが、お許しを。 あくまで私の感じに過ぎませんが、最近、新聞の医療関連記事の見出しなどに、「自然死」ということばをよく見かけるようになった、という話をしていたのでし…
水原紫苑『桜は本当に美しいのか』平凡社ライブラリー。面白く一気に読んだ。 たまたま本屋の棚で見つけて買ったのだが、もと新書で出ていたものの「改訂版」だそうで、それは読んでいないというか、知らなかった。 街の本屋がどんどん消えてゆきつつある。…
いったことばと、そのことばでいおうとしたことは、もちろんいつも同じというわけではありません。そこで、飛び降りた青年や子どもは、「死にたいなんて、何いってるの、会社などやめればいい、学校など行かなければいい、君は本当は生きたいと思っている筈…
もとより人はいずれ死ぬし、長く生きることがいいともいえません。戦争などなどで「早すぎる」死を強いられたりせずに、それぞれの時代や社会で「まあこんなものだろう」と思われる時期の前後まで生きた老人には、世間は、「まあそんなものでしょう」という…
(緩和及第、話を戻します。) ご承知の通り、世の中、「死にたい」といっても素直に受け取ってはもらえません。青年や子どもがビルから飛び降りて救急病院に運び込まれたとすると、ありがたいことにというべきか、つらいことにというべきか、たとえ遺書らし…
「死は常に他人事である」、と哲学者や作家がいっています。山田風太郎氏は、有名人の死に際を集めていて、中には作家も大勢含まれていますが、誰ひとりとして本人が書いたものはありません。三島由紀夫は、自分が産れた際の記憶があると威張っていましたが…
数日前に、NHKで「731部隊」についての歴史ドキュメンタリーが放映されたそうで、見ていませんが、評判が高いようです。というより、権力的にかたく隠蔽され続けて来たこの問題については、取り上げたこと自体が、既に高く評価されるでしょう。 「延命中止」…
「自然」もまた社会的・文化的な、従って歴史的な概念ですが、「人工、人為」と対比する最も素朴な意味でいうと、全ての医療行為は、単なる投薬も含め、「自然な」身体過程への「不自然な」介入といえます。それでも、もちろん私たちは、例えば今も世界のど…
暑い日が続いていますが、夕立とはいえない長い雨もあり、時に涼しい風を感じないこともありません。 人類に温暖化の責任があるということはその通りでしょうし、昨今の異常気象や大国の国際協定離脱など、先行き不安な昨今ですが、それでも、今のところは、…
教育勅語と銃剣術が復活しそうな気配ですが、そういえばパン屋には郷土愛がないから和菓子屋に、アスレチック公園は「おじいさん」に縁がないから和楽器店に変わるのだそうですから、ハンバーガーは焼き芋に、ラーメンは夜なき蕎麦になるのでしょう。もちろ…
一部上場記念パーティーの会場で、突如一人の暴漢が社長を襲い刃物を突きつけます。近くにいた役員連中はもちろん駆け寄った警備員も下手な手出しができずに一瞬躊躇したその時、一人の女性がつかつかと近づくと、社長と男の間に入って刃物を自分の身体で受…
社内クーデター的に鍋島コーポレーションに組織替えする前、龍造寺組だった頃の組長家兼は、仁義に反して主君筋の大組長を裏切って自害させ、次の隆信組長もまた、恩義ある蒲池組を騙し討ちにしてシマを乗っ取ってしまいます。こうした余りの非道さ故に、龍…
戦国の世には、主君に対する最大の奉公は戦功をあげることでしたが、そんな時代はとっくに過ぎ去っています。今や藩という地域支配の会社に貢献する道は、例えば、氾濫の絶えなかった河川に堤防を築く大工事を指揮して遂に完成させたり、備蓄倉の配置を提案…
そういうわけで、『葉隠』を書いた(実際には聞書ですが)山本常朝という人は、太平の世に堕落した今風の武士ではなく、古武士然とした眼光鋭い剣の達人・・・ではなく、実際には虚弱児に生まれた文弱ヘナチョコだったようです。 「武士道と云ふは死ぬ事と見…
そうそう、『葉隠』のことが残っていました。 新渡戸の『武士道』と違って、分量が多いし、雑多な短文の集りだし、多分、最後まで読んだ人は極く少ないのではないでしょうか。葉隠といえば有名な「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という一節は、はじめの…
「武士道が武士の道徳を指す言葉として一般的に用いられるようになったのは、明治以降である」(国史大辞典)。新たな言葉が作られて拡がるということは、新たなイメージが作られて拡がるということです。で、そのイメージですが、「武士道」といえば、清廉…
大した内容のないことばかりで申し訳けありません。乗りかかった船ですので、あとは簡単に。 ◯ デモクラシーは国の色合 デモクラシーは決して共和政体の意味にのみ取るべきものでな(く)、寧ろ国の品性もしくは国の色合ともいいたい。〜僕のしばしば言うデ…
新渡戸「平民道」の続きです。 ◯ 平民道は武士道の延長 〜僕は時代とともに始終考えを変えて行くように聞えるであろうが、〜根本的の考えは更に変らない〜 (現在では、士といっても)〜学士を始として代議士もあれば弁護士もある。〜国士もあれば弁士もある…
連日何万人ものデモが続いた韓国では、大統領が罷免となりましたが、こちらでは、アベを守れ省庁を守れと懸命にバリアをはる力が<強く>(結局それは人々が権力に<弱い>というでしょうが)、森友学園が悪い理事長がおかしいという方向に流れができてゆき…