2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 アジアあるいは義侠について15:殿様貴族

なんだか、なかなかアジアにもどれなくなってしまいました。何とか戻らないといけません。 倒幕に反対だった孝明天皇を毒殺したとか明治天皇をすり替えたとかは、少なくとも今のところフェイク扱いですが、偽勅を作ったというのは本当の話で、つまり真っ赤な…

 アジアあるいは義侠について14:明治の乱

明治維新はブルジョア革命といえるかどうか、ということを巡って、大昔、二派に別れて長く激しい論争が繰返されたのでしたが、つまり、どちらもいえるということだったのでしょう。いわゆる開国は既にせざるをえなかったし、国際状況から見て「富国強兵」の…

 アジアあるいは義侠について13:勝てば官軍

南北首脳の会談が新しい歴史を開きそうです。でも、分断の大本である日本の植民地化が改めて話題になっているようには見えません。いまさらですが征韓論のことを取り上げるのも意味が無くはないかもしれません。 とはいうものの、雑談とはいえ幼稚な内容で、…

 アジアあるいは義侠について12:革命

いかに歴史ガールが沖田総司に熱を入れても、やはり明治維新は「日本の夜明け」であり、ヒーローは「坂本龍馬」だという風潮がありますが、龍馬のヒーロー化に責任のある司馬遼太郎も、戊辰戦争は無駄な暴力だったといっています。前に触れた安部龍太郎氏だ…

 アジアあるいは義侠について11:西郷隆盛

西郷ドンとかいいう連続ドラマが放映中とのことですね。どんなドラマか誰が演じているのかも全く知りませんが。それに関係あるのかないのか、新たな西郷本も目につく気がします。といっても、そちらも中身は知りませんが。 確かに西郷は謎の多い人物です。中…

 アジアあるいは義侠について10

竹内は、「幕末から維新後にかけて、対外発展や海外雄飛の思想があったのは事実」であり、それは「近代革命の途上にあった当時の日本として当然である」といいます。そして、言論上だけでなく「実行」もあったとして、例えば、前回触れたように探検に行った…

 アジアあるいは義侠について9

昨夜、「竹内論など書けないし書くつもりもない」と書いて終わったところ、全く偶然にも今朝の新聞書評欄で、『竹内好とその時代』という立派な論集が出ていることを知りました(黒川みどり、山田智編、有志舎)。誠に申し訳ないのですが、高くて分厚い本は…

 アジアあるいは義侠について8 

続きですが、中島氏は、このように見たのでした。 ここで竹内は、不可避の膨張主義は「人民の自由の拡大」と結びついているならば、それはアジア主義の可能性としてとらえていいのではないかという問いを投げかけているのです。 そして、こう反論します。 −−…

 アジアあるいは義侠について7

いつもの通り読み返さないまま、長々分からないことを書いてきて、今さらいうのも何ですが、ここまでは枕というか前置きのつもりです。といってもそれは、ここから先に何か実のあることを書こうとか書けるとか、そういう意味ではありません。そうではなくて…

 アジア6

マスコミはほとんど伝えませんが、週末には国会前に何万人もの人たちが集まったようですね。しかし支持率は下落中ながらまだ高いようで、世の中、侮ればすむことは何もありません。 さて、訳の分からない大昔にまで広げすぎました。「アジア主義」という、あ…

 アジア5

そのような「アジアの思想」は、マホメットや釈迦の古代からずっとずっと流れ続けて、最も精緻な究極形が、西田幾多郎の「一即多多即一」、「絶対矛盾の自己同一」ということになるようです。 ただ、天心もその他の人々も、アジアの思想を全うしきれずに、ど…

 アジア4

ちょっと、どうしようもないいい方をしますが、いったい思想とは、というより「思想がある」とは、どういうことなのでしょうか。 例えば、こういう風にいったとします。「西洋近代」は、理性を万能とする合理主義で貫かれ、主客を分離して、思考する人間主体…