2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 漱石 1911年の頃 5:事件と革命2

しかも、06年には、手紙の中に、こういうことを書いていた漱石です(06.7.2.高浜虚子宛)。 昔はコンナ事を考へた時期があります。正しい人が汚名をきて罪に処せられる程悲惨な事はあるまいと。今の考は全く別です。どうかそんな人になって見たい。世界総体…

 漱石 1911年の頃 4:事件と革命1

いつもながら、きちんとした見通しをもって書いているわけではなく、断絶的な書き足しメモですので、読み返してみると繰り返しが大変多いですね。直しませんが。 前回までは、漱石にとって「和歌山」とは、ということをみてきました。もちろん、深い見識をも…

 漱石 1911年の頃 3:講演と観光3

ところで、「先達てやつた「文芸と教育」」ですが、実は関西講演旅行は、病後はじめての講演旅行ではなく、漱石はすでに6月に、高田と諏訪に行っているのです。これについても漱石は、11.6.22.長谷川如是閑宛の手紙で、気が進まなかったような書き方をしてい…

 漱石 1911年の頃 2:講演と観光2

先にもいいましたが、新聞社にとっては販促企画でもあったであろうこの真夏の連続講演会は、瀕死の瀬戸際からようやく戻ったばかりの漱石にとって、大変負担になる仕事でした。そして実際、彼は最終日に旅先で再入院することになるのですが、漱石は出発前に…

 漱石 1911年の頃 1:講演と観光1

重いことは書かない書けない軽薄なブログながら、いやあるいはそれ故に、期間が空いてしまいました。2年来、とみに、見たくなく聞きたくないことばかりが、見ようとしなくても見え聞こうとしなくても聞こえます。また今日のニュースによれば、貧富による教…