無人駅ではなかったようだ。蝉の声を聞きながら、形だけの改札口を通ると、駅舎の陰に駅員がいた。 しゃがんでいるが、別に草むしりをしていた風でもなく、顔をあげると、曖昧な笑顔を見せて立ち上がった。足下に眼をやった私が、「ああ、珍しいですね。蟻地…
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