2008-08-03から1日間の記事一覧

 夏の風景5

無人駅ではなかったようだ。蝉の声を聞きながら、形だけの改札口を通ると、駅舎の陰に駅員がいた。 しゃがんでいるが、別に草むしりをしていた風でもなく、顔をあげると、曖昧な笑顔を見せて立ち上がった。足下に眼をやった私が、「ああ、珍しいですね。蟻地…