負けるが勝ち 

 桐野夏生氏のエッセイですが(『白蛇教異端審問』文春文庫)、時折、高校の同級生4人で集まるのだそうです。桐野氏の他は専業主婦。
 〜彼女たちは台所を占領し、あっという間に宴会の準備を整えてしまった。持ち寄りがほとんどのご馳走は、テーブルを埋め尽くしてグラスを置く場所もないくらいだ。プロの主婦は手際がいい。
 (で、)〜お酒を飲みながら延々とお喋りする。本や映画の話から、子供、テニスクラブの人間関係、政治、経済、地球環境まで、話題はつきない。〜
 (そして、)宴会が終われば、さっさと洗い物をすませ、持参のタッパーに余り物を詰めて、次回の予定を決めて帰るだけ。

 ・・・・・いいですねえ。自立とか依存とか、そんなことはどちらでもよくて、素直にうらやましい楽しさです。
 やっぱり、負け犬が勝ちの戦後史よりも、負けるが勝ち組ですかねえ。
 え、何ですって!?