処分された幹事長

 朝日夕刊のトップ見出しは、「小沢氏きょう不起訴処分」。他の新聞も似たり寄ったりでしょう。
 「不起訴」「処分」
 例えば、「小沢氏不起訴」とはしないわけです。プロですなあ。
 辞書にもありますが、「処分」という語は、<処理>という意味と<処罰>という意味をもっています。
 明らかに、デスクは、この見出しは<処理>という意味だという逃げ道を確保しておいて、読者が<処罰>というニュアンスで読むことを期待しています。
 それが証拠に、本文の方でも、不起訴といっても、まだ告発人が「検察審査会に対して不服を申し立てる可能性がある」とわざわざ書き、そして、「強制的に起訴される」こともありうるので「今後の動向が注目される」、と結んでいます。もちろん、制度がある以上「可能性がある」というのは嘘ではありません。しかしこれも、明らかに読者を誘導する狙いが見え見えです。
 小沢氏は、他の政治家諸氏と同じく灰色でしょう。もっと色の濃い政治家もいるでしょうが、純白でないことは間違いないでしょう。しかし、何とか起訴してやろうと嵩にかかって執拗に攻め立てた検察権力をもってしても、起訴には持ち込めなかったわけです。検察からのリークをもらって一体記事を書き続けて来たマスコミは、さぞがっかりしたのでしょう。
 不起訴といっても、「処分」なんだ、と読んでほしいに違いありません。また、そう読まれるわけでしょう。