消耗戦

 高校無償化は、夏以降に結論を出すとか。よほど様子見がお好きなようですが、参院選までは、両方の人々を引っ張っておこうというわけでしょう。
 そういえば、生方氏についても、小沢氏が解任を撤回したそうですね。「参院選を控え、党の団結が必要だ」とのことで、自らの居座りも含め、全て選挙がらみの計算なのでしょう。
 前にも書きましたが、郷原信郎氏や魚住昭氏などもいわれるように、今、政権の命運をも左右しようとする特捜部司法官僚の恣意権力を、誰もが止められない状態にあり、そしてマスコミは完全にその片棒を担いでいます。かつての軍部統帥官僚とマスコミの関係と同じ、危機的状況といわざるをえません。
 ところが、そうはいいつつも、実に厄介なことに、われわれ庶民の情報源は、そのマスコミにしかありません。ために、われわれの脳裡には、特捜+マスコミによって、小沢氏の背負う闇や力のイメージが、大きく刷り込まれています。
 そして、小沢氏自身もまた、一時は断固戦うといっていた特捜検察権力に対する宣戦布告を、自らの不起訴と時期を同じくして取り下げてしまい、「公平」だなどといっている始末。小沢氏と特捜部との間で、「取り調べ可視化」や「検察人事」や「警察裏金問題追求」などを材料とする取引があったのでしょうか。それとも、背後のアメリカ政権との間で、「基地問題」の手打ちがあったのでしょうか。それもまた闇の中です。
 マスコミ報道を疑いながら頼り、頼りながら疑う。庶民には、実に疲れる消耗戦しかできない昨今です。