中断してしまった。今回は、番外編で。
公園テント村住人は、普通、「ホームレス」と呼ばれる。支援者や住人自身も、使うことがあるかもしれない。何しろ「ホームレス」は、辞書にも載っている一般名詞なのだから。
大辞泉:住む家をもたない人。公園や駅・地下道などに住みついている人。浮浪者。
大辞林:失業などによって住む家を失い、路上や駅の構内などに寝泊まりせざるをえない人。
後者の方が同情的な眼をもっているようだが、いずれにしても、当然ながら、原語のホームレスつまり「ホームがない」を「住む家がない」と移し替えて、本義としている。
しかし、「住む家」「ホーム」とは何か。あるいは、「住む家がない」「ホームがない」とは、どういうコトをいうのだろうか。
とはいえ、「快適さ、心情的暖かさ」や「家族」が欠けているからといって、離婚寸前の家庭も、アパートに住む単身者も、身寄りのない入院患者も、もちろんホームレスとはいわれない。また、テントに住んでいるからといって、遊牧民はホームレスだ、などとは誰もいわない。なおまた、「不法」な場所に建てられた家屋に住んでいるからといって、ただちにホームレスだとはいわれない。
ところが、公園のテント村住人は、「ホームレス」だといわれる。テントは「ホーム」ではない、そこで暮らす人は所詮「野宿者」、野原に寝転がっているのと同類だ、と見なされるのだ。いや野宿というのも、単に寝っ転がっているのとは違うのであるが。