蛮族の末裔

 4人で会談していた山岡という議員が、「こちらの2人はヤマトンチュの貴族ですが、われわれ二人はアイヌの血を引く蛮族ですので・・・」というような発言をしたらしい。
 直後の記者会見で彼は、「冗談だったが、誤解を与えたとすれば申し訳ない」と陳謝し、発言を撤回したという。「私も北の方の出身なので、私らは生活者中心の大衆的な土壌から出ているんだ、ということを申し上げ、そういう立場を擁護しようとしたのであって云々」。
 ・・・おそらく、発言を咎めた記者でもいたのだろう。
 残念ながら私は、どちらかといえば熊襲ではあってもアイヌ蝦夷ではないようだが、もしも征服者ヤマトンチュではなくアイヌの血を引いているなら、そのことを誇りに思うだろうし、祖先が貴族などであるより「蛮族」であってくれた方がはるかにうれしい。しかし、おそらく、記者なり誰なり、議員の発言を咎めた者は、逆に、ヤマトンチュよりアイヌが<劣り>貴族より蛮族が<劣る>、という思想の持ち主なのだろう。
 ただ、山岡議員も、私らはアイヌの血を引く蛮族だということを「誇りに思い、大衆的な立場を代表して言っているという解釈をしていただきたい」というのはいいのだが、余計なことにこう付け足したという。「アイヌ民族」は「日本の先住民族ですから、同じ日本人であるし・・・」。先住民族だから同じ日本人、というのが訳が分からない。