和解案のカラクリ

 先日、高裁が和解案を出した。曰く。「国が更に踏み込んだ決断をするならともかく、現時点では国の方針を越えた案は作れなかった」。つまり、裁判所は、「国に従わざるをえない」といったのである。
 今日、政府が提案をした。曰く。「裁判所の判断を越えた案は作れない」。つまり、「裁判所に従わざるをえない」といったわけである。
 何が起こったのか。説明は不用であろう。
 「まあ気の毒だけど、でも肝心の親分が謝らないっていってんだから、親分に無理に謝れとはいえねえやな」〜「仲裁人が謝れとはいわない、っていってんだから、仲裁人の顔をつぶしてまで謝るわけにはゆかないぜ」。
 庶民はいつも、このような扱いを受ける。それも、つらい、苦しい日々を堪えかねている人たちである。