UFO騒ぎ

 アホな官房長官が、個人的に空想しているだけなら勝手だが、公的な席で「UFOはいると思う」なんていってしまったものだから、防衛庁長官まで、馬鹿にしながらも、「もしいるとすれば、外国のものともいえないし飛行機ともいえないし友好的か攻撃的か言葉も分からんし、防衛担当者としても困ったもんで・・」などと、馬鹿馬鹿しい記者会見をしたりしている。「UFO」も罪なことをしてくれるものである。
 「UFO=未確認の飛行物体」というのは、もともと「国籍不明の船」とか「身元不明の被害者」のような、普通の用語に過ぎないのだから、それらが「ある」のと同じ程度には、UFOも当然「ある」。しかし、「UFOは宇宙人の乗り物だ」というのは、「国籍不明の船、わあ幽霊船だ」とか、「身元不明人、わあゾンビだ」とかいうようなものである。
 もちろん誰しも、100%冷静な科学者であるわけでないので、死者が蘇る怪奇映画に悲鳴をあげたり、宇宙人が襲来するSF映画に興奮したりもする。だが、できの悪い子どもたち、あるいは同じ程度の大人たちは、映画館を出てからも、幽霊船やゾンビや宇宙人の乗り物を怖がるわけである。
 といっているうちに、とうとう、「未確認は未確認だ」という政府の公式見解まで出た。それでも官房長官は、「いると信じている」と、がんばっている。あの御仁はきっと、「ゾンビはいる」とか「サンタクロースはいる」などとも信じているのであろう。