サミットとコンビニ(5)

 (全てフィクションながら(ゆえに)予定外の方向へ流され困りながら途中下船もできず・・・)
 「先ほどいいましたように、あくまで例えばの話ですが、現場の責任者である班長が実際に差し迫った危険がある判断した瞬間に、「停止」と叫び、信号を赤に変え、車両の前面に隊員が出ます。以下どのようになるかはご想像頂けると思いますが、今回のように密着性の高い行動では、明白な暴力行為等はいうまでもありませんが、格段のことがない場合でも、当方の行動は全て法に基づく任務執行でありますから、「瞬時に」従わない行動は公務執行妨害その他の違法行動として現認逮捕できますので、ご心配のような過剰警備とか不当逮捕とかには当たりません。
 「いや、私は作戦そのものに反対だといってるわけではない。もちろん当方の行動は全て法に従った行動であり、抵抗や妨害には厳しく対処すべできある。しかし、そうはいっても、万一過剰警備とか不当逮捕とかいわれると対処が面倒にならないか。それを心配してああいったのだ。
 「その点、最近のマスコミは大丈夫ですが、しかし、おっしゃるようなことがありえますので、万全を期して、テレビクルーは近づけませんし、もちろん沿道からの市民の撮影などにも厳重対処します。一方、起訴のための証拠となる映像記録については記録班を配備し、万全を期しております。
 「了解した。
 「そこがちょっと違うんだな。さきほど、本官の訓辞には問題があったといわれたが、積極的ということばを誤解してもらっては困る。当然のことだが、本官も違法行為をやれなどといっているのでは決してない。しかし、それとは別に、大きな誤解があるんだ。
 「誤解というが、積極的にやれという君の主旨は、作戦の中に十分に生かされとるじゃないか。どうもしかし、私はあのような言い方は賛成ではないな。担当課長から説明があったように、あくまで合法的な警備作戦であるのに、積極的とかポジティヴとかいいすぎると、当たり屋みたいなことをやれといってるように聞こえるじゃないか。
 「だから、そこが誤解なんだ。私がポジティヴとかいってるのは、イメージ戦略に関係する話なんだのに、そこを分かってない。話そうとすると、止められてしまうし。
 「申し訳けありません。何しろ時間が・・・
 「私は、アメリカ研修で学んだことを踏まえてポジティヴといったのだが、もちろん半面では、さきほどから話題になっているように、厳しい予防的警備と考えてもらってよい。だが、もう半面のイメージ戦略が分かっていないから、テレビなんかもやみくもにシャットアウトするなんてことになる。
 例えば、今回のようなデモの前後左右を機動隊がとり囲んで歩くのは、何のためかね。
 「それは囲い込みというか封じ込めというか、周りの市民との間を遮断して不測の混乱が起こらないようにするためですが。
 「だから、それは半面なんだ。あと半面は、パッケージ効果だ。(続)