風鈴

 8月になりましたが、梅雨のあけぬまま、大暑を過ぎて立秋も間近。
 いい音のする焼き物の風鈴をもらったのですが、残念ながら、ふさわしい軒端もありません。
 太陽も西に消えようとして、ようやく窓を開けるのですが、なお夕風は熱気をはらんでいます。風流ぬきに平たくいえば、夕風の涼しさというのは、汗の肌から気化熱が奪われてゆくことだったわけで、日中エアコンに頼って汗もなく暮らしながら、夕風の涼しさを懐かしく体感しようなどというのは、蚊や蠅を駆除して蜻蛉を懐かしむ類なのでしょう。
 ま、しかし、今夜は雨模様。
 風鈴をはずして雨の窓に立つ