ライト(8)仕事

 仕事庁について、意外に知らない方が多いようなので、もう少し紹介しておきます。
 ・・・辻○長官の仕事庁は、次々と登録採用者を増やしていったのですが、その単純直裁なやり方に、野党の自公党はもちろん、民主党や閣内からも、異論が出されるようになりました。しかし、長官はたじろぎません。遊休ビルや倒産工場などを次々と仕事庁の庁舎に借り上げては、採用した職員を入れてゆきます。この頃の辻○長官の考え方と仕事ぶりは、『ワールド』誌に掲載された湯○村長氏との対談記事がよく伝えていますので、その一部を転載します。
 湯「はじめまして。湯○と申します。」
 辻「こんにちは。辻○です。一度お目にかかりたいと思っていました。」
 湯「私の方こそ、こうしてお話しできてうれしく思います。辻○さんの大変画期的なプロジェクトには、ほんとに感嘆しているんですよ。ただ、少しきめ細かさには欠けるところがあるように思いますが(笑)、でも逆にいえば、大胆で強引な施策だからこそ、多くの人々が現に救われているのですよね。」
 辻「やっぱり私は強引でしょうかね(笑)。その点、あなたは、大変きめ細かで周到な仕事ぶりで、私なんかにはとてもできないお仕事を前からされて来られたのは、ホントにすごいなと思います。ただ、お返しに私の方からもいわせて頂けば、きめ細かい代わりに、少しおとなしいというか(笑)。私はもっと怒ってもいいと思うんですよ。」
 湯「でも、だとすれば、そんな正反対の私たちが組めば、最強かもしれませんね(笑)。
 辻「そうですよ。清く美しく誠をつくし、ですからね(笑)。」
 湯「まさに「友愛」じゃないですか(笑)。」
 辻「だから、あなたが厚生労働大臣されて、私とタッグを組めばよかったんですよ。森永さんがあなたこそ最適任者だっていわれたでしょ。」
 湯「いやいや、私はお役人には不向きですよ。現場にいたいんです。」
 辻「つまり、私のような者はダラクだと(笑)。」
 湯「いえ、そんなこといってませんよ。それに、政府の内と外にいたって、協力しあえるでしょ。というか、して頂きたいんです。」
 辻「もちろん、私にできることがあれば、いくらでもご協力します。・・・などというと、早速「上から目線」などといわれそうですね(笑)。え〜っと、だから、いい機会ですから、今日は是非、率直なご批判やご指摘を頂ければと思います。」
 湯「いえいえ、批判なんかはできません。おとなしく陳情ということで(笑)。・・・ところで、仕事庁は最初東京だけでしたが、いまは・・・」
 辻「確かにそうなんです。拡げないといけないんです。まあ今次は、登録窓口のある庁舎を全国で12都市には置けたのですが、でもまだまだ。それに、窓口が増えると二重申請などが出て来ますので、それを防ごうとすると、やっぱりちゃんとしたデータ管理体制を作らねばならなくなります。私は「いらち」ですので、「細かいことはええがな」といいたくなるんですけどね。細かいことはええから申請者は全部登録採用、というのが基本で。」
 湯「その乱暴なところがすごいんですけど(笑)。ただですね。仕事庁が申請即採用ということになっている一方で、例えば生活保護なんかは、窓口でなかなか受け付けてもらえないという現実があるわけです。」
 (続く)