被写体とシャッターチャンス

 全くどうでもよいことですが。
 ゴルフの遼選手には特にギャラリーが多く、結果、マナーの悪い困った人も増えているということです。打とうとした瞬間にシャッター音を立てる、競っている相手のミスに拍手する、果てはボールを持って帰ろうとする・・・。彼は流石に一億円の余裕で、「ルールやエチケットを知らない人なら仕方ないのですが・・」と、感心なコメントをしているようですが、そういう人をも含むにわかギャラリーがゴルフブームを盛り上げ、ひいては高額の賞金をもたらすのだということが分かっているのでしょう。
 ゴルフの歴史はよく知りませんが、もともとの起源はともかく、やがて広い庭や領地で貴族や金持ちがする遊びとして定着していったものなのでしょう。ところが、ジャッジもスコアも自分たちでやりながら数人の仲間で回るという当時の基本は残っていながら、大衆化の流れの中で、プロが生まれトーナメントができギャラリーがついてまわることになった。つまり、庶民とは縁遠い人々が談笑しながら回る高級な遊びが、庶民の目の前で繰り広げられるスポーツイベントになったわけです。遼ファンのニュースの片隅に、「金を払って見に来たのに、写真ぐらい撮って何が悪いのか」という声もあったという記述がありましたが、ま、そういうことにもなります。
 ジャズやロックとクラシックが、音楽という同じジャンルにくくられるように、もともとが庶民のにぎやかなイベントに由来するボクシングやサッカーのようなものも、もともとは庶民に縁遠かったゴルフのようなものも、スポーツという同じジャンルにひとくくりされ、そうすると、同じように声を出して応援したい写真を撮りたい、という人も出てきます。で、ゴルフのような高貴な由来の種目としては、庶民のファンが増えるのはうれしいがマナーも品も悪いギャラリーには困る、ということになるわけです。
 そういえば、livedoorが配信しているメールニュース「ドアスポ」には、前半に普通のスポーツ記事があった後、必ず「女性アスリート」という項目があって、例えば今日配信のそれでいうと、「[画像]レシーブできずコートで大開脚状態の木村沙織」とか「[画像]スコールでビショ濡れのレースクイーン」などと共に「[画像]ショットを放つ上田桃子、体のラインがくっきり」というのが並んでいます。
 遼クンがボールを打とうとする直前にシャッターを押すのはマナー違反です。ゴルフ協会はマナーを明示しているのかどうか知りませんが、写真を撮りたい庶民の方は、男子ではなく女子の大会に行き、ボールではなく体にピントを合わせ、直前ではなく直後にシャッターを押すといいようです。