強欲競争

(承前)昨日寄ってみた本屋さんの新書の棚に、『社会主義化するアメリカ』という本と『強欲社会主義 中国:全球(グローバル)化の功罪』という本が並んでいました。多分、「社会主義」つながりで並べられたのでしょうが、さらに眼を走らせると、少し離れたところに、『強欲資本主義ウォール街の自爆』という本もありました。最初の本の副題に「米中「G2」時代の幕開け」とありますが、その二大強国米中が、共に「社会主義」と「強欲」ということばでくくられています。失礼ながら、買ってないので内容は分かりませんが。
 ご承知のように、中国は「社会主義市場経済」といっていますが、「虎猫」はネコ、「大根役者」は役者だから市場経済国です。しかし虎猫や大根役者同様、社会主義市場経済というのも矛盾概念ではありません。前にも触れたように、とっくの昔に市場か計画かという対立はなくなって、問題は市場コントロールの質量差になっており、市場を制御しよう(どの程度できるかは別として)という強欲いや強力政府が、歴史的経緯を踏まえて、ある場合には社会主義を名乗っているというのが、昨今全球の趨勢のようです。
 その点、ここ数日のニュースでは首領様は酒煙草お元気なようですが、あちらでは独自の「主体」社会主義も名目ではなく、とにかく強力世襲政府が「市場」のいくつかを閉鎖しようとまでしたらしいですからすごいことです。しかし、あれほど教育し管理し指導し激励して頂いても、やっぱり保留畑地や交換市場の方で元気を出すのでしょう多分。
 ということで結局、強欲資本主義と強欲社会主義という、違っているようで実は同様なものしか残らないというわけでしょう。