2-8 南海ホークス、ではなく

 水島新司氏の「あぶさん景浦安武は、ホークスが福岡へ移ったときも引退しなかったが、流石に昨年、現役引退と伝えられた。だがなお、「釣りバカ日誌」や「三丁目の夕日」に並んで続いている連載の中で、現役37年でいるらしい。
 彼の長男は阪神の投手になっている。先日、阪神が巨人に豪快な3タテを喰らわせたので、東京人ながら熱烈なトラファンで知られる知人にメールすると、「虚人イジメ疲れで今日あたりコケると、私の好きな寅なのですが」という返信があって、そのことば通りとなった。ちなみに彼は、「悪党楠木正成」の研究者である。しかし、彼のような<ひねくれ=筋金入り>のファンは別として、一般の阪神ファンは心境複雑だろう。他球団主力からの引き抜きとか、他球団と比較にならぬ金満とか、全国区ミーハーファンとか、虚人に放つ矢は全て今、トラに返って来てしまう。
 しかし、アンチ巨人といえば阪神ファンというのは、実は案外新しい。安武の所属球団で分かるように、アンチ虚人といえば何といっても南海ホークスであり西鉄ライオンズであった。
 と書きかけたのだが、そうなるとどうしても、南海のエース別所を巨人がルール違反で引き抜いた事件から、日本シリーズで4回対決して勝てない南海屈辱の5年間、三池大争議を背負った野人集団西鉄の破竹の連覇、とりわけ奇蹟の「神様仏様稲尾様」、杉浦忠を裏切った長島の巨人入団、そして翌年、杉浦の4勝無敗の連投で遂に南海が巨人を完膚無きまでに叩きつけて辱を雪いだ59年シリーズ、と、そこまで書かねばならなくなる。やめておく(^o^)。
 で、何処へ戻ればよいかというと、1913年、「龍雛」龍野中生一行が、南海電車和歌山市に着いたところである。「長い帯のやうな紀の川が見え出したと思うたら、もうそこが和歌山なのである」。
 本日は(本日も)、中味なく失礼。m(_ _)m