異形の神たち

 大相撲が話題になっていますが、流石は小沢昭一さんです。
 神事から始まった相撲は、江戸両国で芸能となったのでして、「どうみても大相撲は芸能、見せ物でスタートしているんです」。「大相撲は公明なスポーツとして社会の範たれと、みなさんは言う」。しかし、「昔から大相撲も歌舞伎も、日本の伝統文化はすべて閉じられた社会で磨き上げられ、鍛えられてきたものじゃないですか」。それが今や、「もっと開け、と求められる」。「これでまた一歩、大相撲もクリーンの仲間入りか。寂しいなぁ」。
 小沢さん、四本柱はとっくに切り取られています。ダンナ衆が寄ってたかっても、最大のタニマチ文科省と国営放送協会には勝てません。どうせ勝てないのであれば、例えば寅さんを見習って、徹底的に隠すという手もあったかもしれません。寅さんは、小市民的な堅気の世界に現れる姿しか見せません。啖呵売のショバを誰から割り当てられ、ブツをどこから仕入れるのでしょうか。渡世の闇は徹底的に隠し切ることで、文科省推薦の国民的映画になっているのです。あるいはパチンコを見習って、最初から警察に貢ぎ倒すという手もあったかもしれません。警察利権としっかり結託しておけば、ちょっと窓口をズラすだけで、賭博が賭博でなくなるのですから。
 多分、儲けすぎて傲慢になったのが命取り。こうバレては、もうダメでしょう。そのうち肥満体型がよくないとかまでいい出しますよ。誰がって、もちろんみなさんがです。