柔(やわら)

 のんきに相撲のことなど書いているうちに、参院選が予想通りに終わりました。
 最近寝惚けているという噂の田原総一郎氏ですが、先日正気に戻って、いま政治家といえるのは小沢と亀井だけだ、といったらしいですね。少なくとも、この二人は今回の結果を予想していたでしょう。
 柔ちゃんは富士山なんかに登らずに、歌うべきでした。「勝つと思うな、思えば負けよ〜」。
 菅氏敗北は、「説明不足」などではありません。説明不足というのは、説明すべき事柄がきちんとある場合にいう言葉です。あわててフォローしようとして、「200万円以下」といったり「400万円以下」といったり、「いや、議論しようといっただけで」などとごまかしたり。つまり、説明すべききちんとした内容をもっていたのではなく、ただ「増税が必要」という、官僚から吹き込まれた素人考えをもっていただけ。「説明不足」どころか、意図的に「説明なし」で、この際ちゃっかり、増税の委任を手に入れようとしたのでしょう。素人の浅はかさ、素人の驕り。それというのも、「勝つと思ってしまった」のですね。
 ○「沖縄県議会は9日、米軍普天間飛行場宜野湾市)の名護市辺野古周辺への移設を明記した日米共同声明の見直しを日米両政府に求める決議と意見書を全会一致で可決した。」(時事通信) 
 ○「「政治とカネとか、普天間のことで少しご心配をおかけしたが、それもクリアをした」。菅直人首相は10日午前、福井県坂井市内での街頭演説でこう語(った)。」(産経新聞
 後者は産経だけの記事なので菅氏の言葉通りかどうかは怪しいですが、沖縄が全会一致で反対していても何のその、少なくとも普天間に足を引っ張られるような状況は「クリアした」、と思ったのでしょう。もちろん政治とカネの方もクリアした、と。
 で、2大足枷をクリアしてV字回復したのだから、これで勝った、負けるわけがない。そう思ったのですね。「勝つと思うな、思えば負けよ〜」。ということで負けてしまった。
 でも、勝ったところもないわけで。
 いや、結局勝ったのは、本土の一般大衆ということでしょう。「そりゃ、沖縄に押しつけておけばよいというのが、われわれのホンネなわけで。もちろん税金も安いに越したことないし・・・」。