神も仏も

 どうも、誰も書かないようなので、畏み畏み申さく、
 兵庫県警は、県内3800社を束ねる神社庁に対して、暴力団の集団参拝を受け入れないよう要請したそうです。
 参拝が違法なら、警察が逮捕し起訴すればよいわけですし、法律違反でなければ、いかに不愉快な行為、行動であっても、何もしてはいけません。それが法治国家というものなのですが、昨今では違うようです。法律に反していなくても、とにかく暴力団と小沢は悪い、憎い。
 そこで、司法の専門家が起訴することができなかった小沢を、素人民間人を使って無理矢理起訴させ、警察がいくら取締っても根絶できない暴力団の手足を、被害者である商店や神社の手まで借りて縛らせようというわけです。とにかく、小沢と暴力団は法律に違反しなくても悪い、彼らの抹殺に手を貸さない者はただの市民でも悪い、というのが昨今の風潮です。
 確かに、いわゆる暴力団は、違法行動はもちろんのこと、違法ではなくとも非道なその暴力によって、無辜の弱い人々を地獄に落として来たし、今もそうであるでしょう。また、「悪い奴ほどよく眠る」世の中、違法でないことを盾に巨悪を働く権力者連中は無数にいるでしょう。そこで、法の手を逃れる連中を成敗する「闇の」仕置き人を描いたドラマに、喝采が送られたりするのですが、しかし、いかに痛快でも、実際にやれば違法なリンチです。ところが、ドラマといえばお手の物のテレビなどで、小沢と暴力団はとにかく悪い、「闇」でも何でも仕置きしろと繰り返し流されるので、参拝拒否要請にも、異論の声があがらないのでしょう。
 といっても、いくら何でも丸きりのドラマではありませんので、リンチにも、それなりの仕組みが作られています。小沢の強制起訴は検察審査会法。今度の集団参拝拒否要請は、4月に施行された県暴力団排除条例に基づく措置。(この条例についての鈴木邦男氏の批判は→こちら
 いまや警察は、苛立ちの余り、民間人に対して、「暴力団との戦争」の前線に立て、と強制する仕組みができているのです。
 「血迷フ勿レ。何ヲ言フカ。我ラ荒ブル神ヲコソ鎮メ祀ルモノナルゾ。近隣ヲ荒ラシ回レル一大暴力団大親分ヲ、護国神社ニ祀ルナト言フノカ。護国ハ別ナラ、天満宮ハ国事犯ヲ祭ルナルゾ。地上ノ小権力ノ分際デ、我ラガ神事ニ口出シスルハ小癪ナリ。退ケイ」、とか何とか(^o^)いう神社はないのでしょうかね。「暴力団は悪人とかや。我らが祖師は、悪人こそ往生すると教えたり。自らもまた誹られ流されたるぞ。天が下なる万人が参拝すべき神社、悪人こそが祈るべき寺院が、警察から指弾され、世間から糾弾される世の中とは、実に末法の世というべきなり」、とか何とか(^o^)いう寺院はないのでしょうかね。多分、そう思う神官や僧侶がいても、声をあげると叩かれるのでしょう。桑原桑原、そら、天満宮だ。