Tシャツ

 前回とつながってはいないのですが、高橋源一郎氏の『ニッポンの小説』が分厚い文庫本になったので読んでみました。とても面白かったのですが、その後半に引用につぐ引用の荒川洋治氏の文芸時評も面白そうだなと思い、最近は便利なことにすぐ分かって古書で大体5千円、置いている公立図書館がついでのない方向に車で30分。どちらにするか考えているうちに忘れてしまわないようにしたいと思ってはいますが。
 ところで、高橋氏の本は、当たっていなくとも一言でいうことを許してもらえれば、ニッポンの小説などというものは、どんどん、まあ何というか緩くなってしまって、もうおしまいじゃろがいして、それでも書いてゆきたいと思います、という本のようでしたが、もちろんそれは小説だけのことではなく一事が万事で、「ジャージー」を着てゴミを出しに行くようになってしまっているといわれるのですが、しかし今の季節はもうそれどころではありません。同じTシャツで寝て起きて、スイカを食べてゴミはもちろんコンビニにも行きスーパーにも行き、入浴後に着替えてもまたTシャツ、という具合で、確かに世も末。といわれてもねえ。もうだめなんでしょう。