兵器のリスク

 今日、オスプレイが陸揚げされるとこのと。安全性への懸念を無視しての強行配備である。
 ところで、オスプレイは、米軍で、2つの名前で呼ばれているらしい。
 「米軍が配備を進めるV22オスプレイは、世界で唯一、実用化に成功した垂直離着陸(VTOL)輸送機だ。〜従来型の輸送機やヘリコプターでは不可能だったミッションを遂行できることから、米軍は軍事作戦の在り方を変える「ドリーム・マシーン」と呼んでいる。ただ、そのドリームを実現するために機体は航空機史上で最も複雑なシステムとなり、開発には25年もの歳月と莫大な経費を要した。操縦も難しく、試験飛行中には墜落事故が多発して「ウィドウ・メーカー(未亡人製造機)」というありがたくないニックネームを付けられてしまった。」(時事ドットコム特集
 民間航空機が開発されたとしよう。しかし、仮にそれが、極く短い滑走路からでも一度に500人の乗客を超高速で運べる高性能機だったとしても、試験フライトで100回に1回墜落して「遺族製造機」というニックネームがつくようでは、絶対に採用される筈がない。
 一方、軍用機の場合には、開発された軍用機が、仮に、どんな基地からでも出撃できて、一度に500人の敵を超高速に殺すことができたり、一度に500人の兵士を超高速で戦地に運べるといった高性能の「ドリーム」軍用機だったとすれば、訓練飛行で100回に1回墜落して「ウィドウ・メーカー」と呼ばれようと、問題なく採用される。兵器とは、消耗品の兵士が使う人殺しマシーンなのだから、兵器にとっての「性能」と「安全性」の関係は、もともとそんなものである。