雑記

 雑誌やマンガは別とすれば、日頃読むのは、文庫本か新書だけである。それも、困ったことに、コレを数分読むと何か他のことをして今度はアレを手にとるといった具合。いわば寸断併読とでもいおうか、結果、常時かなりの本が読みさしになっている。
 困った読み方だが、メリットもなくはない。併読といっても同等ではなく、くり返し手にするする本がある一方、なかなか手にしないまま、遂にどこかに紛失しまう本もあって、忘れた頃に出てきた時には、決められた箱に入って頂き寄附することになっている。この自然淘汰法則?のおかげで、無駄なものを読み終わらなくてすむというメリットがある。
 一方、デメリットはたくさんあるが、例えば、先日読んだひとつの本では、「俺」は、ほとんどの人が車など持っていない時代に珍しく車を運転する探偵だったが、同時に別の本では、「俺」は、ほとんどの人が車に乗っている時代に珍しく車に乗らない探偵だった。ということで、尾行していたターゲットが車で走り去ろうとするので、急いで「俺」も車を発進させるのかと思いきや、「俺」はタクシーを探して右往左往したりする。もちろん、これほど似た本の併読は滅多にないが、他にもいろいろデメリットがあって、寸断並行読みといいう悪癖はやめた方がよろしい。そう思いながらも、やめられないからこそ悪癖である。
 しかし、もちろん中には、珍しい例外もある。一昨日、西加奈子氏の『円卓』を買ったところ、レジでジャポニカ学習帳の「じゆうちょう」をおまけにくれた。これはどうやら映画化の宣伝らしく、そちらには興味はないが、本をすぐ読み終えたのは、薄いという理由(^o^)からではなく、大変面白かったからである。今頃いうのも何だが、未読の方にはお薦めしたい。と、たまには素直な雑記である。台風一過して青空見えず。