<変>な広告(8):くだん

 「よって件の如し」。「件(くだん)」は、意味的には「くだり」と同義だろうが、「件」の字は、確かに、「人」べんに「牛」と書く。字義的には、<人が牛を曳いている>、つまり<人の傍らに牛がいる>ということらしいから、何の変哲もないが、しかし文字としては<人と牛の合体>だから、「人顔牛体」とか「牛顔人体」というイメージの都市伝説を生みやすい。それらについては、よくお世話になる「ウィキペディア」のの項の解説が詳しいので、参照にしてほしい。
 さて、「くだんの母」など面白いお話しの方は今はおくとして、この広告(1925.4.8.大毎)のイラストを見て、諸星大二郎にそっくりの絵があったような気がしたのだが、家にあっ数冊を繰ってみたが、少なくとも今のところ未確認なので、私の思い違いかもしれない。
 それにしても、この「件如」を商標に登録した意図が分からない。「<これこの通り>飲んで治るや家伝薬」、ということなのだろうか。おそらく、しかし、<意図>などというつまらぬことに首をひねる私のような者を笑い飛ばそうというのが、この広告のメタ<意図>なのだろう。