暑苦しい五輪

 オリンピックが迫っています。
 開催地中国では、国威発揚に過剰に張り切っていますが、いろいろ心配の種も少なくないようです。実は切符も売れていないようですし。
 国威発揚といえば、1936年のベルリン大会が有名ですが、その前の大会はロサンゼルスで開かれました。余り知られていませんが、この大会では男子競泳で日本人選手が大活躍し、100m背泳の金銀銅メダル独占をはじめ、400m自由形以外の全種目で金メダルを獲りました。すごいですね。ただし、全種目といっても、このとき男子競泳は6種目だけ。いろいろな理由があって、こぢんまりした大会でした。第一、開催希望地も他になくて無競争で決まり、客席の入りも半分ほど。最終日の「ニューヨーク・タイムズ」では、スポーツ欄の六分の一ほどの扱いだったそうです(北岡伸一清沢洌)。
 しかし、ご承知のように、サラマンチIOCの手で金まみれの一大国際商業イベントに作り替えられてから、五輪は大盛況。巨額の儲けが約束された開催権を狙って、各国の間で激しい誘致合戦が繰り広げられます。そして、今年のような開催年には、様々な契約スポンサー料とともに、超高額の放映権料がIOCの懐に入り、マスコミは、そのもとをとるべく、大会運営に様々な注文をつける一方、視聴者を今から煽っています。
 もっとすっきり見せてくれるならいいのですが、おそらく暑苦しくうるさい毎日でしょう。