帝国の慰安婦:安堵の共同性10

 「解放されたくてわたしは引っ越し先の物件を探しました。でも、やめました。わたしに必要なのは解放されることではなく、いつまでも自らの罪に囚われていること、それだ、と改めて気づいたからです。〜忘れてはいけないのですよね。」(伊坂幸太郎『首折り男のための協奏曲』)
 「いつまでも囚われているのは嫌だ。解放されたい。忘れたい。引っ越しさせたい。撤去させたい。和解しよう。示談で総決算にしよう。そっちだってまんざらじゃなかった筈だ。お互い様で水に流そう。もう忘れよう。」(首折れ男の狂詩曲」)