知恵のある役人

 訴訟に負けると相手に報復。(→先日の記事)。
 知恵と権力のある人々による「お礼参り」であるが、今日の新聞によれば、大阪府羽曳野市にも大層悪知恵のある役人衆がいるようだ。
 生活保護の申請をした女性に、担当の男性職員が「夜自宅に行く」という電話を何度もかけた。
 大阪地裁は、「立場を利用した悪質」なセクハラと認定し、羽曳野市に、慰謝料など計110万円の支払いを命じた。
 ところが、市は、判決に従って賠償金を支払ったものの、電話の録音テープの声紋鑑定費や弁護費用などを引いて女性被害者の手元に残った24万円を「収入」とみなし、女性の生活保護費から差し引いた。
 専門家は、「嫌がらせとしか思えない」と指摘しているが、権力と悪知恵が結びつくと、敗訴など怖くない。
 裁判で敗訴した市は、被害者の手元に残った「慰謝」料を全額取り戻しただけではない。いったん支払った賠償金額を、セクハラ元職員から全額取り立てている。で、収支計算をしてみると、
  市の職員からセクハラを受けた被害女性  勝訴して ・・・・・ 結果 ゼロ
  職員がセクハラをした加害者羽曳野市   敗訴して ・・・・・ 結果 24万円の儲け
 腹が立っても、庶民の側は何の嫌がらせも報復もできない。せめて、大阪府羽曳野市、という名前だけでも、ここに再度記載しておく。