アメリカ様、とにかく中国だけは、何とかひとつ。

 オバマの最終演説を流し読みして、少し感心したことは、という程のことではないし、私などがそんなことをいっても無意味だが、「トランプは自分とは考え方が異なるが、それでも、トランプを支持した人々にも思いがあった」、と認めたことである。
 「Yes,we did. 私たちは成し遂げた。だが、「われわれは見捨てられている」と感じる人々の思いを解消するには至らなかった」。
 <思い>、というのは厄介なものである。理屈ではなく、むしろ理屈の正反対なので、理屈では論破できないし、そうしようとすると余計に反発される。
 ところで、わが政府の支持率は、またも高水準だそうである。専門家の間ではアホノミクスは完全失敗だ(いまだに2%目標を達成できていない)という見方でがほとんどであるが、もともとアホノミクスとはどんなものかなんてことには関心がないから、失敗とか成功とかいったことは理屈だ、そういわれれば、ハイそれまでである。トランプは早速TPPからの完全離脱文書にサインしたが、外交の大失敗と指摘されても、もともとTPPがどんなものかなんてことは関心外だから、これまたどうでもよいことである。
 経済も大失敗、外交も大失敗、それでもひたすら支持率が高いのは、理屈ではない何かによるのであろう。何かとは何か。「アメリカ様、アメリカ様」、何がどうなってもこうなっても、とにかくあなた様だけが頼りです。何がどうなっても、とにかく中国だけは何とかひとつ。確かに、その点だけはブレがない。