独立

 日頃いい加減なことはもちろん、でっち上げのウソなども書いているせいで、先日、舌の先を切られたのですが、驚いたことに、舌というか口の中は、普通の皮膚より強靱で快復力が強く、抜糸をする前に、ほとんど元に戻ってしまいました。体内には、いろいろ見えない活動があり、見えないものが生活しているわけですが、できるだけ平和共存でいてもらいたいものです。
 ニュースによれば、スコットランドは、やはり独立ならずとのこと。私もそうですが、人間、大きな変化にはなかなか足を踏み出せないのでしょう。
 ウクライナイスラム国などに比べれば、投票という手段を選んだだけ平和というべきでしょうが、イングランドとの関係については、スコットランドの多くの人々が、平和共存ではあっても、「対等公平」ではないと、感じてきたのでしょう。残留を選んだ人の方が多かったといっても、半数近くの人が独立に票を入れた事実を受け止め、政府は、少なくとも今まで以上に、自治権の拡大を認めざるをえないでしょう。
 それにしても、スコットランドの独立が失われ、グレートブリテンが成立したのは1707年ですから、300年以上昔のことです。それでもなお、統合ないしは併合は、併合されたと感じる人々の側の心を、完全に解きほぐしてはいないということなのでしょう。
 それに比べれば、アイヌの地が執拗な和人の侵略を受け、現在の北海道が「日本国」になったのは、もっと新しいできごとです。ところが、かの地では、「「旧土人」は完全に抹消した、アイヌなどいない」と嘯くような人物が、議員に選ばれているのが現状です。
 さらに、南の琉球王国になると、対等の外交交渉等によってではなく、軍事力を背景にした日本国の一方的な「併合処分」で、事実上日本国に組み入れられてしまってから、まだ僅か数世代しか経っていません。しかも、それ以後も、「日本国」の「独立」と引き替えに一時期アメリカに譲渡され、今もなお、そのまま好きなように軍事基地としてお使い下さいと差し出されたままです。琉球独立論の松島泰勝氏によれば、日本国憲法に規定がないから琉球独立はありえないという理屈は成り立ちません。琉球の現状は「植民地」状態にあり、そして、植民地の解放、自立は、今世紀の国際社会の共通課題です。琉球の人民の意思と国際社会の承認があれば、日本本土の承認は不要です。というより、「本土日本」が琉球に植民地状態を強いている現状を改めない限り、植民地解放を積極的に支持し応援すべき国際的責務を果たしていないということになるでしょう。
 スコットランドは人ごとではありません。