NHKのやり口

 NHKの教育テレビが、今日は、午後から9時半までだけの放映という。
 新聞のテレビ欄は、しかし、空白ではない。結構たくさんの文字がある。新聞社が書いたのではなく、NHKが書いた文になっている。読むのも馬鹿馬鹿しいが、ひとことでいって、「エコのために短縮します」てなわけらしい。
 いかにも、政府御用達放送局らしいやり口である。
 税金のように金を取っての公共放送である。ということは、放映は、公共サービスであって、放映の短縮は、サービスの短縮である。サービスの短縮でしかない。
 金がかかるからサービスを短縮した、と、単にそういうことであろうが、それは勘ぐりで、本当にエコのためだとしよう。「エコのため」などということ自体が胡散臭いがこの際それはいわないことにして。
 だが、たとえ、そうであったとしても、民間のサービス業なら、どう書くか。先ず、「申しわけありません。ご迷惑をおかけしますが〜」と書くだろう。
 ところが、そういったことばは一切ない。
 では何と書いてあるか。「地球温暖化に一層関心をもっていただくために〜短縮」します、だと。「短縮することで、地球環境を考える一日にします」、だと。サービスの短縮を詫びるどころか、視聴者に説教している。
 例えば、街のケーキ屋が、「贅沢に一層関心をもっていただくために、本日は休業にします」とか、街のGSが、「臨時休業することで、車社会を考える一日にします」、などと書くか? 少なくとも、それだけ書いて、「申しわけありません、ご迷惑をおかけしますが」といった言葉を一切使わないか?
 つまらぬことに腹を立てているのではない。いかにも政府御用達局らしい、と思ったまでである。短縮は大いに結構である。しかし、短縮は短縮であって短縮でしかない。謝るのが嫌なら、せめて、黙ってやれ。