渋滞旅行

 帰省ラッシュ時に東名不通が長引き、迂回一般道に超渋滞が起こっているとのこと。
 天下りに高給を貢ぐのが狙いのETC推進はシャクだし、かといって他の車が1000円のところを高い料金を払うのはシャクだし、というわけで、当分私は、車で遠出できないことになっています(^o^)。
 民主党政権になると、本当に高速無料化をやるのでしょうか。無料になれば、1000円割引以上の渋滞とCO2増が起こり、また競合するフェリーや鉄道やバスなどに採算性低下による便数減や廃線が続出して、結局日頃車に乗れない人たちが困ることになったりもするのでしょうが、ともかくETCはいらなくなります。もっとも、敵もさる者、利権を守るために、何か新手を考えるに違いないでしょうけれど。
 それにしても、高速網のおかげで確かに大変便利にはなりましたが、結果、どこを走っても、遠景以外、目に入るのは同じ路面と同じ標識。単調な運転に疲れて休憩所に立ち寄れば、これまた同じような施設と商品。ドライブの長さは、遠くへ来たという感慨によってではなく、ただ時間経過の疲れだけで表され、つまり、今や高速道ドライヴは、「旅」ではなく、単なる「移動」になっています。
 そしてまた、目的地で一般道に降りてからも、カーナビの普及で道を間違えたり迷ったりする自由もなく、携帯で普段通り家族や知人と話せるのですから、始めての土地でも、遙けくも来た「未知」の土地という感慨が薄れます。
 例えば80年前の1939年、コリン・ロスというドイツ人が全国を自動車で旅しようとしたとき、日中戦争中だったこともあって、ガソリンの確保以上に困ったのが、道路地図というものが全くないことでした。地図のないドライブ、それこそまさに「旅」だったことでしょう。
 とはいえ、そんなことをいうなら、高速にも乗らずカーナビも地図も見ずに好きなように走れば、今でも「旅」ができるというものですが、実際には、渋滞ニュースを見ながら、ごろ寝をしているだけのお盆です(^o^)。