男イチロウためしとて

 「一度お招きしたいと父も申して居りましたわ。是非お越し下さいませ。そうそう、うちの庭に桜がございますの。お花見の頃でもいかがでございましょう。」「それはおそれ入ります。楽しみですなあ。是非ひとつ、万事トラストミーでよろしく、とお伝えください。」
 ところが、「小沢氏の訪米は当初、オバマ政権からの正式な招待によると観測されていたが」、実はどうもそんなことではないらしい、という記事があります。ただし、サンケイ新聞の記事ですので(3月6日配信)、当然サンケイの意図が入っていますが、以下、その尻馬に乗ってみます。
 「訪米計画は2月初めに小沢氏と東京で会談したキャンベル国務次官補が招請の意を伝えたとされたことから浮上した」のですが、「その後、ルース駐日米国大使はオバマ大統領や国務省が直接この計画にかかわることを避け」たようで、さっぱり話が進みません。
 ご承知のように、オザワ氏は、大議員団を率いて中国に乗り込み、国家首脳に歓迎の席を設けさせて、その力を内外に見せつけたものでした。おそらく再び、今度はオバマ大統領に招待され歓迎されることで、低下してしまった政治力イメージを一挙に浮上させようとしていたのでしょうから、これにはあわてたでしょうね。「2月15日に来日した議会上院外交委員会東アジア・太平洋小委員長のジム・ウェブ議員に、「議会からの招待状」を出すことを要請した」のだそうです。大統領がダメなら、議会で招いてほしいと、頼んだわけですね。「ウェブ議員には山岡賢次民主党国対委員長も会い、小沢氏訪米への協力を求めたという」ことです。
 ところが、それでも、逃げられてしまいます。「ウェブ議員は確答を避け、16日には沖縄に向かった」ということで、さあ困った「小沢氏側からはさらにウェブ議員への接触や要請が電話などでなされた」そうで、余りのしつこさに閉口したのかどうか、適当にあしらっていた「ウェブ議員は単独あるいは他の議員との連名で招待状を出すことを検討しているという」ことです。
 「そういわれましてもねえ・・・。大変忙しい方ですからね。そう簡単に招待してもらうなんてことはできないんですよ。でも、それほどいわれるのでしたら、何でしたら私共でご招待させて頂きましょうか。隣近所にもちょっと声をかけさせてもらいます。もちろん会えるかどうかはお約束はできないですけど、もしうまくゆけば、庭から声をかけてもらうこと位はできるかもしれません。その程度でもよろしければなんですが。」
 もう一度書きますが、当然サンケイの意図が入った記事がモトネタであり、上記の擬文もその尻馬に乗っています。が、もしも実際の状況がこれに近いとするなら、さて、どうするでしょうか。男イチロウ氏は、この記事ともども蹴飛ばして、啖呵を切ることができるでしょうか。
 昭和余年は花吹雪、男イチロウためしとて・・・