つけ足し

 (承前)つけ足すことはありません、と書いたのはその通りで、内容的にはつけ足すことはないのですが、問題のある言葉を使ったので、補足を少しだけ。
 敢えてそのまま引用したのですが、最後の部分に、問題語があります。「戦時中、朝鮮人従軍慰安婦はこのように蔑称された」という「編集部注」が付いているように、もちろん明らかな差別語です。
 しかし、アラカン氏と竹中氏がこの言葉を使ったのは、当時の用語の使用を自らに禁止するつもりがなかったからであって、この言葉にまつわる民族差別、売春差別という2重の差別意識を共有していたからでは、もちろん決してありません。
 以下に、関連するアラカン語録を、2カ所から、つけ足しておきます。
 「アジアは一つ・オメコもひとつでおます、どの国の女子としたかてかましまへん。大東亜共栄圏や、そやけど力づく金づくはようない。女の股はひらけても、心をひらくことはでけしまへんのやゼニや鉄砲の力づくでは。あの戦争そこで間ちごうた、〜」
 「エライさんとちごうて、下々の庶民は働かな食うていけまへん。手足使うのも、オメコで稼ぐのも詮ずるところ肉体労働です。こないなことゆうたら市川房枝はんに叱られるかも知れんが、売春かて神聖な労働ですわ。」