意識したことはございません

 週刊誌の広告によれば、「愛子天皇待望」の声が高くなっているとのことである。もちろん政府が、数年のうちに悠仁氏から乗り換えることはありえないだろうが、それにしても、共に、気の毒にも因果な家に生まれてしまったものである。
 先日、愛子氏の記者会見が行われたが、当然のように投げられた結婚についての質問に対して、彼女は、「今まで意識したことはございません」、「理想のお相手については、特別これといったものはございません」、と答えたようだ。一般人の言葉に翻訳すれば、「余計なお世話です」とか「セクハラ質問ですよ」とかなるだろう。
 結婚できない、だけでなく、結婚しない男女が増えつつある。もちろん「する/しない」の自由は、基本的人権である。記者たちは、読者たちもまた、結婚するものと決めることで、基本的人権を蹂躙している。
 悠仁氏は、まだそういう質問をされる年齢ではないだろうが、彼の場合はもっと深刻で、結婚だけでなく、とにかく男子をもうけなければならない。マルクスがいった通り、それが彼の人生に課せられた一番の仕事である。
 もって回った天皇制論など不要である。いずれ事実として行き詰まる。