彼にビールを!

 (続きといえば続きです) 
 しかし考えてみると、というほどのことではありませんが、「彼は貢献者だ、彼の貢献に報いよう」というのは、結構根が深い問題のような気もします。
 公園で小さい子供たちがワーワーとボールを蹴りあっている時には、ゴールと決めたブランコと樹の間にボールが転がり込んでも、誰がどうしたというようなこともありません。何人もの子供がボールと一緒に団子になってゴールを通過した、というようなものです。
 ところが、一応、草サッカー・チームの試合となると違います。試合後の飲み会では、「今日のMVPは山田だな。何たってハットトリックだもんなあ」「そうだそうだ!」「山田にどんどん飲ましてやれ!」てなことになります。
 原始共産制的な社会に私的所有が生まれるのは、初原的なカツアゲからなのか、それとも初原的なプレゼントからなのか。もちろん実際には、カツアゲとプレゼントは多分入り交じっているのでしょうが、ともかく、ワーワー争いから草戦争みたいな時代になると、「&%@*+$%&#%$#$”%(戦勝のMVPは彼だ)!」「&%%$%%(そうだそうだ)!」「&%@%$+$#$”&%(一番よい戦利品は彼にやれ)!」とかなっただろうことが想像できます。
 社会的貢献にモノで報いちゃいけない。モノの分配に社会的貢献というファクターをいれちゃいけない。賞賛や感謝の気持ちは、花を投げる程度にしておけ。ってったって、「彼にビールをついでやれ!」というのは、余りにも自然な人情ですしね〜。