格好いい

 昨日書いたときは、国母選手という名前も知らなかったし、かなりの格好かと思ったのですが、ニュース画像でみると、結構いい男だし、決まってるじゃないですか。確かにシャツは出していますが、最近の若い人の多くは、あれがいいと思っているのでしょう。全員同じブレザーというのが既に気持ち悪いのですから、自分なりに着こなしている選手の方が格好よく見えます。あの程度のことでわざわざ通報した人、厳重注意した監督、五輪後の処分に含みをもたせた団長などなどは、何を考えているのやら。
 おそらく彼らは、「団長監督にピシッと管理されて軍規正しく戦場に望む日本選手軍団」を考えているのでしょう。「日本軍団の出征式」である空港出発時に軍装の乱れがあった兵卒が、「軍旗を先頭に陣地に入る」入村式ではずされた、というわけです。で、明日から世の中挙げて、日本軍団が勝った負けた、日の丸上がった下がった・・・などとやるわけですね。ま、実際の戦争気分の代償行為だとでも思っておけばいいわけなんでしょうが。
 今日の新聞に、スピードスケート清水宏保氏の回想が出ていました。試合当日、観客席に座って自分の視点をはるか上にもってゆく。「地球には戦争している場所もある。地震で壊滅してる都市もある〜沈もうとしている島もある。自分はこんな小さなリンクで、レースなどという小さなことに悩んでいる〜」。氏は、「自分を客観視」することで、「最高のパフォーマンス」に臨むことができたといいます。国母選手の「反省してま〜〜す」も、はるか上から自分を見ていった言葉なのでしょう。少なくとも、団長や監督のつまらぬ叱責「などという小さなこと」には、悩んではいないに違いありません。