緊急の軍事行動を事後承認する

 アベが、「緊急時の事後承認を認める」ことに強くこだわっています。でないと「我が国の平和と安全に支障を来す」、と。
 先の戦争は、全てこれです。全ての戦争は、「緊急時の事後承認」で起こり、「緊急時の事後承認」で拡大していったのでした。
 戦場、準戦場、あるいはその後方に軍(自衛隊)が出かけて行く。軍(自衛隊)がいる場所で、危険な事態が起こる。あるいは起こりそうになる。あるいは起こったことにする。あるいは起こす。
 軍(自衛隊)から参謀本部(政府)へ至急電:「作戦を展開中の(米)軍に軍事物資を輸送中のわが部隊に、武装軍団が接近中である。部隊は危険な事態に直面している。必要な軍事行動をとることを承認されたし。」
 政府から返信問い合わせ:「我が国の安全を守るための軍が危険に直面しているということは、すなわち我が国が危険に直面しているということだ。軍の安全を護るために、すなわち国の安全を護るために、必要な行動をとることは、当然認める。ただし、現在の事態が、緊急の危険事態であるというのは確かであるか。また、必要な行動とはどのようなものか。」
 軍より至急電:「現地にあって、現に危険に直面しているわれら軍の判断より確かなものはないではないか。ただちに緊急軍事行動をとることを認められたい。なお、「必要な行動」は、緊急事態に対応して、瞬時に変わるものであることを理解されたい。」
 政府から指令:「今回は緊急時であり、国会には事後承認として軍事行動をとることを承認すべく、臨時閣僚会議を至急招集中である。」
 軍(自衛隊)より政府へ至急電:「緊急。攻撃を受けたので直ちに応戦し、その後方に展開する軍団に先制攻撃をした。至急承認されたし。」
 政府より軍(自衛隊)へ「それは困る。すぐに閣僚会議で承認決定をするので、先制攻撃は待て。」
 軍より政府へ至急電:「ここに送り込んで戦闘(米)軍の支援をせよと命じておきながら、ただ撃たれていろというのか。応戦中止はできない。緊急事態につき、応戦を事後承認されたい。」
 政府より軍へ:「緊急閣議を開いた。政府は、緊急時と認め、事後承認する。」
 後日、政府より国会へ:「やむをえない緊急時ゆえに、政府は軍の行動を事後承認したことを、事後承認されたい。」
 国会:「事後承認の事後承認などできない。国会の承認なしに行動するな。」
 政府:「それはできない。緊急事態であり、既に軍は行動を起こしている。既に軍が行動を起こせば、政府は既成事実を事後承認する他なく、政府が事後承認すれば、国会も事後承認する他ない。国民も支持する他ない。
 それが嫌ならアベを取り替え、安保法案を通さなければよかったのだ。」