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 (承前)トヨタのことはさしあたりどうでもよいのですが、ああいうことがあると、経営者たるもの英語人と対等にやりあえる流暢な英語が不可欠だという声が、またもエスカレートしてゆくかもしれません。英語は、経営者だけではなくビジネスマンには誰でも、それどころか国民全員に必要だ、だから英語を第二公用語に、小学校で英語を必修に・・・
 しかし、そういった政治家や官僚の動きの背後には、少なくない世間の人々の声があります。普通の会話なら中学校英語で十分だということですが、(私も含めて)自分の不勉強をすっかり棚に上げて、これまでの教師や教え方や学習時期に責任転嫁し、子どもに英語を詰め込もうというわけです。
 しかしもちろん、全員が英語でビジネスをするわけではありません。先日、なぜ英語を身につけたいのですかというアンケートの記事をどこかで見ました。それによると、海外旅行にひとりで行ける、外国人に道を聞かれた時に答えられる、というのが二大理由だったそうです。まあ、世間一般には、そんなところでしょう。
 とはいえ、最近では、普通に海外へ観光旅行に行くだけなら、英語ができなくても全く問題ありません。もちろん、英語ができなければ、英語圏の国に単独旅行することは難しいでしょうが、それは、泳げないとバリアリーフへダイビング旅行に行けず、トレーニングしなければヒマラヤへ登山に行けず、中国語ができなければ中国の田舎へ、イタリア語ができなければイタリアの田舎へ単独旅行できないのと同じで、当たり前の話です。
 もうひとつは、外国人に道を聞かれたときというのですが(続)