3種類

 面倒だから同じ表題で申しわけありません。(承前)(続)といちいち書きませんが、いつものことで行く先のない断片漂流文です。
 ということで「3種類」と単純化しましたが、ところで「3言語習得」といっても何でもいいその提言は、諸「言語」が誰にも習得可能だという前提に立っています。ということから、例えば手話や点字のような「少数言語」の問題、つまり聴覚や視覚の障碍の問題があるわけですが、今はそのことの確認だけにしておきます。また、「習得」のための社会的条件からくる格差についても、今はおきます。
 その他いろんな問題を無視して、大雑把にいってしまえば、例えばここにある人がいまして、家族やご近所の方々とは方言で話すだけでなく、最近の風潮を憂えて「○○語を愛する会」に入り、古老から土地の民話を聞いたり学校へ方言指導にいったりしています。しかし職場では、全国の取引先との商談に備えてNHK「アクセント辞典」で共通語を磨き、どこへ出張に行っても出身地を推測されない程です。さらに職場では係長、課長などそれぞれ決められたTOEICの点数を軽くクリアして、英語圏なら海外出張も問題なし。とまあ、みなさんこういう人を目指しましょう、行政は市民誰もがこういう人になれるよう支援してゆきましょう、というわけでしょう。なるほど。
 なるほどですが、さすがユネスコ、なんだか良い意味でも悪い意味でも優等生の答案のような提案です。それに、世界中の誰もがこういう人になるというのは、大変なことでしょう。もちろん私も失格ですし。