基地の貸し替え

 談志師匠は相変わらずお元気なようで。「アメリカがいなくなればどうなりますって。そんなもなあおめえ、東朝鮮でも何でもいいじゃねえか」、なんてことをおっしゃっておりましたな。ま、それは、「四の五のいって、結局独立する気概がねえんだろう腑抜け野郎」、てえ師匠一流の言い回しでございますが。
 そういわれましてもねえ。みなさんあれでございましょ、アメリカさんが怖いから、基地がなくせない、ってんでしょう。誠にごもっともなご心配ですな。この半世紀、世界で一番戦争で人殺しをした国ってえのは、だんとつアメリカさんで、ベトナム、湾岸、イラクアフガニスタン・・・もうのべつ幕なしって奴ですからな。そういう怖〜い国に楯つくと何をされるか分かりません。お好きなように基地をお使い頂いて、思いやりの袖の下も大判振る舞い、おべんちゃらをいうておくのが、そりゃ一番ですわ。怖い国には基地提供、これですな。
 しかし、実はみなさん、何でもアメリカさんより中国さんが怖いと思っておられるのだそうですな。中国が怖いからアメリカさんに是非いてもらいたい、というわけで。それなら簡単なことでして、持って回ったことをしないで、「怖い国には基地提供」、これですよ。面倒だから全部一挙にでもいいでしょうが、とりあえずは半分だけでも、アメリカさんから中国さんに基地の貸し替え。これが妙手の一手、これで絶対安心ですわ。いくらアメリカや中国が怖〜い国だといっても、自分の軍隊がいる国を攻撃はしません。
 もちろん金さん印のテポドンも大丈夫。強気で鳴らす北の大将でも、親分筋に当たる中国の基地を攻撃する度胸は絶対ありませんからな。悪さはしません。安保ならぬ担保ですわ。どうです、これで安心、三方一両得の妙案でしょう。