不要不急

東京の一日感染者が過去最高になったという。政府や都のコメントや対応には呆れて何も言う気はないが、昼か夜かにかかわらず、自粛に耐えられずに外に出る人が増えたからでもあるだろう。 だが、世の中がこうなってくると、ものごとは簡単ではない。 今なお…

口だけマスク

公園にも少し人が戻りつつあるようだ。日曜の夕方、あまり人がいない道を選んで歩いてみたが、それでも時折、ジョギングの個人やカップルが通り過ぎる。 マスクをしていない人もいるが、している人の方が多い。マスクで走るのは苦しくないのだろうか。人の少…

育てられる

「もしかすると私は、ボーボワール『第二の性』のタイトルを誤解していたかもしれなくて、でも私だけなのかどうか、ちょっとした私的アンケートをとっています。どういう意味と思っていますか」。そういうメールがあり、「そういわれると不安になりますが、…

見たくないものを見る

断りきれずに、zoom会議なるものをしなければいけなくなった。会議ではなく打ち合わせということなので、余計に困る。大体、会議とか打ち合わせとかの席では、誰でも普通、資料を見ている。というより、資料を見ているというポーズさえとっていれば、心がど…

政治芸

「わが社は、その協会から350億円で事業の再委託を受け、再々委託事業者選定事業等の事業を約数10億で行って、残りは数社に事業委託しました。民間なので数字を含め細部は公開いたしませんが、そういうことであります」。「うちは7億円で再々々委託事業…

コロナで資産増

ドラッグストアにマスクも消毒液も並ぶようになり、不安ながらも出かける家族の姿も増えてきたようですが、職を失ったことで住居を失った人々もたくさんいます。それ以前からネットカフェが住居とか、デリヘル待機部屋が住居とか、だったような人々も。コロ…

グローバルスタンダード

有料になってから見ていない「きっこのブログ」ですが、「9月入学がグローバルスタンダードなんて大ウソ」という記事が紹介され、久々にきっこさんのタンカにすっきりしました。恥ずかしいことに、私も、日頃「グローバルスタンダードなんてアメリカンスタ…

黒川杯

「黒川杯」という麻雀会が開かれるらしいというニュースをみました。 イベント告知サイトをみてみると、確かに「黒川杯」がありました。 「法務省刑事局の公式見解によると、テンピン麻雀は問題ないらしいので「黒川基準」によるレート麻雀解禁を祝してテン…

隣人の消滅

コロナが、様々な面で、人々の生活をなぎ倒してゆきつつあります。倒産と失業が広がり、たとえいつかコロナが収束しても、もとに戻ることはできないでしょう。というか、戻れないまま倒れる人を踏みつけて、株価がもとに戻った、GDPが戻った、売上が戻った・…

差別する、ゆえに吾あり

(承前)10日ほど前に、末尾に(続)と入れたままになっていました。いつものことで、(続)がないままでもいいのですが、思い出したので、少しだけ。 上野先生が「マッサージ業と同じ」といったからかどうか知りませんが、 最近は「性の商品化」といったこ…

抜け目のない間抜け

私は、どんな物にも格別のこだわりはありませんが、万年筆でも細いのは嫌で、さすがに最近はボールペンですが、ある品名の1.0のものを常用にしています。ということで、近所の店に行ったのですが、入口すぐのところに、不織布マスクの箱が積んでありました。…

批判と寝技

予想通りというか何というか、岡村氏のような「善人」の場合は、批判者への反論があり、一方、蓮舫氏のような「悪人」では、その批判に反論されます。 先走り過ぎたので、一応再確認を。 日頃ネット世界でも「善人」とされているらしい岡村氏が、「この事態…

善い人が地獄で待つわけ

善人芸能人といえば、ナイナイ岡村もそうなのだろうか。少なくとも、他人をイジメて笑いをとるタイプではないようだ。NHKでは、5歳のチコちゃんと共に、大人から子供まで人気がある。芸能ニュースの定番である男女関係スキャンダルと無縁らしいことも、理由…

為政者が戦争を好きなわけ

昨今では、ニュース番組のMCをしていても違和感を持たれないのだから、「お笑い芸人」などという言葉も死語になっているのかもしれないが、かつては相方や弟子や共演者をイジメて笑いを取るのが定番だった。ちなみに、イジルとイジメるは同義である。 ところ…

読まない本のタイトル5

そういえば昨年の東大入学式祝辞は流石だったが、最近は上野先生の本で「学ぶ」ことを全くしていないので、読んでもいない本のタイトルや身の上相談記事などだけで物言いをしてしまい、誠に申し訳ないことである。先生ご自身がこんなものを読まれる気遣いは…

読まない本のタイトル4(上野千鶴子先生と田房永子氏)

政府は、国民の側に自粛をしろというだけで、マスクを2枚づつ郵送するという他には、自分たちがやるべきことは何もしない。とりわけ検査をしない。口先ではいろいろ言うが、実際には、とにかく検査を渋る。検査数を抑えることに賭けているとしか思えない。山…

読まない本のタイトル 3

さて、前2回は無駄な前置きで、もともとここからが本題である。 先日、「上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!」というタイトルの本が出た。著者は、上野千鶴子、田房永子の両氏であるが、タイトルからして、両者は対等ではない。 「マル…

読まない本のタイトル 2

オリンピック延期が公表されたとたんに、都内の感染者が連日急増し、都知事が感染爆発寸前と言い出した。巷では、「とたんにこれだもの」、と専らの噂である。五輪のために感染者数を抑える政治的作為があったのか、そうでないならウィルス様が自ら忖度して…

読まない本のタイトルについて

コロナの猛威は益々激しく、予断を許さない。 「最適の季節」とか「アンダーコントロール」とか、ウソで誘致したオリンピックに影響が出ないよう、意図的に検査を絞りに絞って「感染者数」を抑えてきたが、遂に五輪の一年延長が発表された。 コロナは、何と…

老紳士と酔った男と

世界的なパニックの中、賢明かつ懸命の発言・行動・政策と、愚かな発言・行動・政策とが交錯している。どうなるのか、もちろん私などには見通せないまま、せいぜいできることは、不急のことはしない、ということ位のことでしかない。はじめて生来の怠惰が公…

火は苦しいか涼しいか

今日は珍しく朝、空港に行く用があって、8時のニュースを聞こうと車のラジオをつけたところ、例のシューベルトの曲と共に、「音楽の泉の時間です」というアナウンスが流れた。 NHKが「音楽」といえばクラシックだった時代に、堀内敬三の解説で始まった超…

異常な人(続考)

今日は 3.11。あれから9年ということになる。 「人でなし」とか「人非人」という言い方があるように、人であって「人ではない」といわれる存在は、昔からいた。例えば人を殺す輩とか。しかし、「殺せば人非人」といった単純なことではなく、不謹慎な言い方…

エウレカ

「悪夢のような」首相の下でのコロナ拡大。 今がピークでいずれ終息に向かうというのはもはやごく薄い希望でしかないが、ワクチンや治療法が実現するまでこのまま続くという予測も、突然変異で感染力や毒性が飛躍的に強まるかもしれないという恐怖も、全てあ…

つまらない反省

国民はイベントや公演をやめろ。といったが、首相補佐官の資金集めパーティーはやってよい。学校は休校にせよ。といったが、一律でなく自己判断でやれ。つまり、失敗の場合は自己責任をとれ、ということだ。 つまらないことを聞くな。といったが、つまらない…

誠にもって美しい国

後手後手を「先手先手」と啼くカラス 時折マスコミはダメだと書いてきたが、今回はまた、かの百田某氏まで「安部さんの対応は全くダメだ。これでは五輪は中止だ」、と正論をいっているのに「日刊スポーツ」のコラム「政界地獄耳」(25日)は、何と、この国は…

余りに異常な考え、余りに異常な行動

やまゆり園事件の最終弁論で、弁護側が、「犯行は精神障害の影響による病的で異常な思考によるもの」だとして、「心神喪失による無罪」の判決を求めた、という。 もちろん、どんな容疑者も弁護される権利があるし、弁護士が可能な限りの論を尽くして容疑者を…

懐かしい未来のいま

何を書こうと思ったのか忘れたが、近未来小説の「時代」のことだった気がする。「バルーン・タウン」の小説は、第1話が92年で、後は93年に書かれている。つまり執筆時代は阪神淡路大震災のすこし前である。一方想定時代は、人工子宮がデフォルトとなり、女…

「かくし、ごまかし、逃げ切る」戦略

何が何でも、とにかく証拠を「かくし」、「ごまかし」、そして「逃げ切る」。 そういう人物を、われわれ日本人は、首相にしている。 「日本は感染を食い止めている「安全」な国です。武漢ルート以外の感染者は出ていません」。 世界的流行がおさまるまで、何…

時代

村田沙耶香『コンビニ人間』は面白かったが、前年に書いたらしい『消滅世界』は、時々ひっかって、小説としてはあまり良く読めなかった。作家の問題というより読み手であるこちらの問題かもしれないが。 文芸としての評価とは別に、この小説は、「異性愛主義…

エアコンの音

音にも匂いにも、その他五感に非寛容な世の中が嘆かわしい、などといいながら、すぐにエアコンをつけている。と昨夜書いたが、こう書くべきだった。 嘆かわしいなどといながらエアコンをつけて、エアコンなどもっての外という稲垣えみ子氏のコラムなどを読ん…