天皇とワンマン社長

たまたま内田白井両氏の対談文庫本に触れていらぬ道草をしましたが、本全体は大変面白く読ませて頂いたということを、改めて記しておきます。最後まで読みました。 と書いた上での道草もう一つですが、内田氏は、網野史学を踏まえて、こういいます。「天皇と…

平成と沖縄

(承前)もうひとつ。メタレベルの社会的機能を生身の人間に背負わせるのが問題なのは、せっかく象徴機能だけに切り替えたとしても、象徴的(非歴史的)機能と生身的(歴史的)存在は切り離せないということです。どうがんばっても昭和天皇には、当人として…

犠牲的アクター

眠くなって途中で(続く)にしてしまい、何を書いていた忘れましたが、とにかく、イベントにはメタレベルの存在が、不可欠だというほどではないにしても、あれば便利だ、という単純な話をしていたのでした。内田氏は網野史学などを引いて難しそうに言ってい…

メタな人

ゴリンと天皇

少なくとも今のこころは何としてもやめないらしく、ということで、どこかで聖火ランナーが走っているのでしょう。 走りたい人の気持ちは分からないでもありません。道をチンタラ走るだけで拍手してもらえ、地方テレビニュースに映ったりもするのですから。 …

すばらしきゴリン

これほどの状況下で、まだ五輪中止を決められないでいます。 あの年、開戦すれば敗戦必死と予想しながら、中止という一言を、天皇は自分は言い出す立場にないと逃げ、陸軍と海軍は、相手が言うならともかく自分からは言えないと、互いに中止責任をとらないま…

シーンとストーリー8

「狂者に責められる自罰の祭儀のためには、~家庭の地獄をますます悪化させ」(磯田光一)ることが必要で、そのためには祭壇に捧げる生贄が一人ならず必要だった。もし書くことがこのように書くことであったとすれば、書くことを賞賛することは、このように…

シーンとストーリー7

問題は、自らの地獄場を書こうとするとき、それが思わず罪を犯して落とされた地獄場ではなく、「書くために」自ら招き寄せた地獄場である場合もあるだろうということです。永山則夫のように「書く者」であったなら殺す者にはならなかったということが明確な…

シーンとストーリー6

ワクチンの確保もならずコロナ収束の目処が立たないまま、それでも政府もIOCも強引に五輪を開きそうです。目標なく始まったので当然ながら収束しないこの話も、とにかく強引に強制終了することにしましょう。 といいながら、早速また回り道ですが。 島尾ミホ…

シーンとストーリー5

いつものことながら、シーンもストーリーも、どこかに行ってしまい、ただ怪しい話が続くだけですが、とにかくつなぎます。 「それだけでは多分ありません」、と前回の終わりに書きました。 スポーツとは「勝ち負けのある身体活動です」、と先生が子どもたち…

シーンとストーリー4

ますます話が怪しくなります。 「勝ち負けがあるのがスポーツ」、であるとするなら、いずれ本気になれば、とにかく勝ちたい、ということになるでしょう。で、そうなれば、強い選手あるいは強い選手やチームを育てたコーチの指導を受けたいと願うのは、(有効…

シーンとストーリー3

だんだん話が怪しくなりますが。 古代オリンピックでは、集まった人々目当てに演説する者や詩を吟じる者もいたようですが、競技は、戦車競走や武装競走や格闘技をはじめとする軍事訓練種目で、それは近代五輪も同じです。クーベルタンは、オリンピックへの女…

シーンとストーリー2

国民の間ではオリンピック中止という意見が80%を超えているのに、政府とIOCは、どうやら強行する気配が強くなってきました。首相は野田聖子に「権力のそばに来ないか」と誘ったそうですが、国民の大多数が反対していることでも自分が決めればできるのが「権…

シーンとストーリー

また書かなくなってしまいそうなので、何か書きます。 時節柄、結構リモート関連仕事なども降り掛かって、PCの前には居過ぎる程なのですが、世の中の事々については、皆様方のご覧の通り言われる通りで、もはや余言を挟む気もありません。 仕方がないので、…

やっぱり辞めるのか

「日本の国そのものがミスリードされることを国会議員の一人としては懸念している。」・・・野田聖子 つまりこの人は、「ミスリード(誤読)される」のが心配だ、といっているわけです。海外から。 「日本の国そのものには性差別なんかない。」 「それなのに…

ハッシュタグ森さん辞めるな

森発言。 石原、麻生、その他その他、これまでも山程ありましたが、しかし政府も五輪関係諸組織も、今回もまた、撤回謝罪さえすれば、いずれ収束するだろうと見ているようです。それでも、時代なんでしょう。辞任を求める厳しい声が静まりません。 しかし私…

面白きこともなく

倉沢愛子『楽園の島と忘れられたジェノサイド』。背景となるスカルノからスハルトへという権力移動の時代については、同じ著者の本を読んだ記憶がありますが、バリ島の虐殺事件に絞ったこの本で、倉沢氏は、長年をかけて膨大な文献資料にあたっただけでなく…

面白きこともなき正月に面白く

例年の気分がないまま迎えたコロナ2年も、何だか忙しくしているうちに、一月が終わって早や春が立ってしまいました。昨年末から何も書いていなかったからかどうか、ブログの元締めから、「昨年同時期にはこんなことを書いていますよ。今年はどうですか。」…

どうでもいい話

ほとんど政府のいいなりだった分科会さえGOTOの停止を再三訴えていたのに、それでも動かなかった政府ですが、ようやく年末年始だけ「一時」停止しました。周知のように、菅に決めた二階幹事長は、全国旅行業協会の会長で、巨額の献金を受けています。 医療崩…

何でも争い

小惑星探査機から小惑星の砂などが入ったカプセルが無事回収されたそうで、大きなニュースになっています。科学的にどれほどの意味があるのかは素人には分かりませんが、確かにすごい技術なのだろうということは素人にも想像できます。 それにしても、ニュー…

アメリカ

トランプはまだ諦めていないようですが、次期大統領はバイデンに決まったようです。それでも、あれほど多くの人々がトランプに投票したのでした。もちろん、棒読みだけで何も答えず強権をますます強めてゆく菅政権の支持率が高い理由も分からないのに、他国…

強いなら誰でも

手の届かないところで一旦決まると、たちまち70%を越える支持率。前にも増して独裁王でも別に構わないようで、なお50%を越えているらしい。 例えば、学術会議がどうなのかはいわないが、任命拒否については、いっていることが無茶苦茶である。しかし、無茶…

敗走記(おしまい)

嫌なことは見ないと書いたまま、ほんとにニュースを見ていなかったところ、半分予想はしていたが、それでも予想を越えたことが起こっていたらしく、昨日の新聞やネットニュースを引っ張り出した。 16日、日本学術会議の梶田隆章会長が首相と会談したが、会…

敗走記(4)

例の騒動は、半分予想通りの嫌な展開になっているようで、卑怯にも、嫌なことは見ていません。 「自由」には二通りあるようです。ひとつはスカラー(暇な人)の自由、つまりホームレスの自由です。もうひとつは権利としての自由ですが、これは、権利であるか…

敗走記(3)

例えば学問の自由といわれるものは、芸術表現の自由、信仰の自由などなどや、あるいは司法権の独立、ジャーナリズムの独立などと共に、経済活動の自由を基にして、権力支配への抵抗と戦いの歴史の中で記述されますが、しかし、「認めさせる」ことと「認めら…

敗走記(続)

結局しかし、俯瞰すれば、世の中が貧しくなってきた、ということなのでしょう。 テレビはほとんど見ていませんが、多分これからしばらくは、(任命拒否を行革推進にすり替えるという官僚の戦術に乗った)一部「テレビ識者」らの誘導で、政府よりも学術会議の…

敗走記

大昔の「王」は、理由を言いませんでした。理由を言えば理由に「従った」ことになるからです。理由を言わないことで、王は、自分が何物にも従わない絶対的な権力者だということを見せつけます。一方、理由を知らされない臣下は、また人民は、王の意図を「忖…

ますます貧しく、ますます豊かに

昨日の夕刊、一面トップに大きな活字が踊っていました。 GDP年27.8%減 戦後最悪 記事には、「マイナス幅は比較可能な1980年以降で最大で、事実上、戦後最悪の落ち込みだ」。「GDPの減少率は、~これまで最大だったリーマン・ショック直後の~年率17.8%減も…

積極的平和主義

戦没者追悼式。 天皇は今年も「深い反省」といったようですが、首相は式辞から「反省」はもちろん「歴史」という言葉さえも消し、代わりに「積極的平和主義」という言葉を入れたようです。 子どもに素直に聞いてみれば、「戦争ではない」のが「平和」で、「…

コロナには氷が効く

最近は首相より知事の方が有能だ、というのが街の常識になっていますが、どうやらそれは本当のようで、最近、またもや決定的な出来事がありました。 コロナを前に隠れっぱなしで、旅行に行けいや東京はだめだ帰省はするないやするがよいなどと、何をいってい…